脳の栄養因子ニューロトロフィン

ニューロンの生存および成長には、それを可能にする栄養因子(タンパク質)が必要です。

そういった栄養因子を総称してニューロトロフィンといい、ニューロンが支配する筋、その他の構造やアストロサイトによって産生されます。

これらはニューロン終末の受容体と結合し、細胞内へ取り込まれ、次いで逆行性軸索輸送によって細胞体へ運ばれます。

細胞体で、これらニューロトロフィンは、ニューロンの発育、成長、生存に関与するタンパク質の産生を促進させます。

また、ニューロトロフィンはニューロン内でも作られ、これは順行性に終末まで輸送され、そこでシナプス後ニューロンの健全性を維持しています。

ニューロトロフィンの中には、神経成長因子(nerve growth factor : NGF)、脳由来神経栄養因子(brain derived neurotrophic factor : BDNF)ニューロトロフィン3(neurotrophin3 : NT-3)ニューロトロフィン4/5(neurotrophin4/5 NT-4/5)などがあります。

この他にも、成長に影響を与える因子が存在し、シュワン細胞およびアストロサイトから産生する、毛様体神経栄養因子(ciliary neurotrophic factor : CNTF)は損傷を受けた脊髄および胎児の脊髄の生存を促進させます。

その他、グリア細胞株由来神経栄養因子(glial cell line derived neurotrophic factor : GDNF)や、白血病阻害因子(leukemia inhibitory factor : LIF)、インスリン様成長因子1(insulin like growth factor : IGF-1)、トランスフォーミング成長因子(transforming growth factor : TGF)、線維芽細胞成長因子(fibroblast growth factor : FGF)、血小板由来成長因子(platelet derived growth factor : PDGF)などがあります。

このように、ニューロン成長の調節は複雑な過程によって行われます。

関連記事

コメントは利用できません。

ピックアップ記事

  1. 2017-9-22

    リュックサックによる腰椎への圧縮軽減

    リュックサックはバッグとしての優れた役割もさることながら、腰椎への負荷軽減ギアとしても効果を発揮しま…
  2. 2017-6-15

    腋窩陥凹はハンモックのように

    肩甲上腕関節の関節包靱帯は複雑なコラーゲン線維の交わりあった束から構成され、それぞれ上・中・下の3つ…
  3. 2017-1-18

    筋力トレーニングの負荷設定について

    筋力トレーニングを行うに当たっては、目的を明確にし、その目的に応じたトレーニング条件を設定することが…
  4. 2016-12-1

    骨の連結

    骨の連結には骨と骨が線維性の結合組織によって結合される線維性の連結と、骨と骨が軟骨線維によって結合さ…
  5. 2016-9-4

    反射神経とは

    競技によっても様々ですが、アスリートたちの反応の速い動きをみてると驚かされるばかりです。…

FACEBOOKもチェック!

注目TOPIC

  1. 2017-1-5

    正しい姿勢で動く

    正しい姿勢が良いというのはよく言われます。人が地球上で活動するにあたって重力を切り離して考え…
  2. 2017-3-3

    回転スピードをコントロールして運動の効果を高める

    慣性モーメントが大きいを回しにくく、慣性モーメントが小さいと回しやすいということはフィギュアスケート…
  3. 2017-1-26

    代謝環境を利用して脳を刺激する

    筋肉を動かし力を出すためには、ATPという物質のエネルギーが必要です。これは、あらかじめ大量…
  4. 2017-4-3

    プロテイン効果のあるトレーニング後と睡眠中

    プロテインは、日常の食事では摂りづらいタンパク質の補給に加え、摂るタイミングで威力を発揮してくれるあ…
  5. 2016-2-8

    女子サッカー選手における女性特有のコンディション

    女子サッカー選手に限らず男性との性差、つまり女性特有のコンディションを理解して選手の健康管理を行うこ…
ページ上部へ戻る