室傍核と食欲

室傍核は自律神経機能や内分泌機能に関係が深い部分です。

レプチンは体重を一定に保つためのホルモンであり、食欲を抑えるだけでなく代謝もコントロールしています。

交感神経がはたらけば脂肪細胞や筋肉でのATPの消費を高めて熱として放散させ、代謝が亢進します。

甲状腺ホルモンが分泌されれば、それが全身の細胞に働いて、やはり代謝を高めます。

室傍核はこのような代謝の制御を司るシステムです。

室傍核には「神経分泌ニューロン」が存在しています。

これはニューロンの性質と、内分泌細胞の性質をあわせもった細胞です。

血液中にホルモンを分泌するという、ほかのニューロンにはない特徴をもっています。

そのなかでおもに食欲や体重の調節に関係するのは、副腎皮質刺激ホルモン放出ホルモン(CRH)という神経ペプチドを分泌するニューロンです。

その軸索の末端は、正中隆起という部分に投射し、ここから血管に分泌されたCRHは脳下垂体前葉に作用して、副腎皮質刺激ホルモン(ACTH)を分泌させます。

CRHの発現を刺激するのはさまざまなストレスです。

痛みなどの身体的ストレスのほか、心理的なストレスもCRHの分泌を増やします。

その結果、副腎皮質ホルモンの増加をきたし、ストレスに対する耐性を高めるわけです。

このときとCRHは、脳内で食欲を抑制する方向に働くことが分かっています。

つまり、ストレスは食欲を抑制するということになります。

また、神経ペプチドYは(NPY)は、CRHの合成と分泌を抑制します。

つまりレプチンには、NPYを介してCRHの合成・分泌を抑制する作用もあり、これがNPYによる食欲亢進作用の一部であると考えられます。

ただし最近の知見では、この系はあまり大きな役割を果たしていないようです。

 

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