情動とは

高揚、哀れみ、悲しみ、おそれ、怒りなどが情動の例としてあげられます。

これらの状態はわれわれの行動に大きな影響を及ぼします。

情動反応は種の進化を通じて保存されてきました。

われわれが一般に情動反応と呼ぶ行動反応は、意識を持ちません。

つまり、感情をもたないであろう単純な生物にもみられます。

細菌の細胞は、有害あるいは有益な化学物質を検出し、それぞれ適応的に反応します。

実際すべての生物は、生き残り、繁栄するために、このような能力をもたなければなりません。

物体、動物、あるいは状況といった刺激の中には、それまで経験したことがなくとも、自動的に情動を引き起こすものもあります。

これらの刺激は情動能をもつと言われます。

さらにそれ自体は無意味な物体や出来事も、情動能をもつ刺激と合わさって経験されると、連合学習によって情動的意味を獲得します。

このように、情動能をもつ刺激は、はじめから意味をもちます(たとえば、痛い、おいしい、など)が、他の物体や出来事は情動能をもつ刺激との連合によって、情動能を獲得します。

脳は情動脳をもつ刺激を検出すると、内分泌腺や自律運動系、筋骨格系を制御するネットワークに指令を送ります。

内分泌腺は、身体組織や脳に影響を及ぼす血中ホルモンの分泌と制御を担当します。

自律系は、心血管系と内臓や体腔内の組織を含む身体の生理的制御系に変化をもたらします。

骨格系は、すくみ、闘争−逃走反応、そしてある種の顔の表情などの行動表出を仲介します。

これらの3系統のシステムは、情動状態の生理学的な表出を制御しています。

情動状態による自律系と内分泌系の変化は、内在的に価値付けられた刺激に対して必ず作動するホメオスタシス制御機構の一部となります。

実際、強い情動に対する身体の反応は空腹や口渇、性行動、睡眠などの欲求状態やその他の身体制御機構の変化に対する身体反応、あるいは痛みや激しい運動中の代謝変化に対する身体反応と大きな差はありません。

これらの制御機構の大部分は、扁桃体、線条体、視床下部、脳幹などの皮質下構造によって媒介されます。

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