関節の発生と環境への適応

関節の発生は、骨・軟骨の発生と同じく未分化間葉系細胞が集合する「間葉集合」という現象から始まります。
そして間葉凝集に軟骨化中心や骨化中心が形成され、これらに挟まれた間葉組織部分(中間帯)から関節が形成されていきます。
この中間帯は三層構造をなし、将来の骨膜、関節腔、関節包となっていきます。
また一部の関節では関節腔形成に際して中間帯の中央の細胞が残存し、将来の関節半月や関節内靭帯となります。
一般的には、関節腔形成の時期(胎生8 〜9 週)をもって、関節の発生時期と考えるものとしています。

関節腔形成の機序ついては以下に述べる2つの説があります。
ひとつは、腱または筋の運動により発生するという「機械的刺激説」と、もうひとつは発生学的にプログラムされており組織の融解によって発生するという「融解説」の2つがいわれていますが、現在では後者が主に支持されています。
関節腔が形成されるとその後、軟骨小管とよばれる血管・線維組織が侵入し、胎生14 週までに四肢の関節はその基となる構造が形成されていきます。

四肢の関節を構成する骨の両側には成長軟骨板が骨端と骨幹端の間に形成され、これらは関節包内にあり関節軟骨と連続して関節の横径および長軸方向の成長を担うことになります。
すなわち、この関節内の解剖学的特徴から長幹骨の配列と関節形態の成長による変化とは密接に関係していることがわかります。

胎生後期から出生後の四肢の自動運動により四肢の関節は形成されていき、その発育が急速に進んでいきます。
関節面の形状により、肩関節などの球関節、股関節などの臼関節、橈骨手根関節などの楕円関節、拇指の手根中手関節などの鞍関節、腕尺関節などの蝶番関節、膝関節などの顆状関節、下橈尺関節などの車軸関節、仙腸関節などの平面関節などに分けられます。

これら関節の形状はあらかじめプログラムされているかのように思えますが、環境変化により関節面の形状は変化して成長することになります。
例えば、足関節は脛骨下端と腓骨下端よりなる関節窩と距骨滑車とが距腿関節を形成していますが、何らかの理由により腓骨下端(外果) が正常に発育しない場合には、成長に伴い距腿関節は「ball and socket joint」とその形を変えて、関節の安定性と可動域を維持しようとしていきます。
このような形態変化のように、各関節は安定性および可動域の要求に応じて成長しつつ、その形態を変化(最適化) している現象が観察されています。

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