半月板損傷とその治療

半月板は、膝関節内の線維軟骨組織であり、荷重分散、衝撃吸収、関節の滑動や安定化など多くの機能があり、それらの機能は多くを1型 コラーゲンやプロテオグリカンなどの細胞外マトリックスが担っています。

半月板は加齢による変性を受けたり、あるいは膝関節が過大なストレスを受けた際などに損傷されることが多く、膝関節の疼痛や運動時の ひっかかりなどの症状を引き起こします。
このような損傷を受けた半月板は自然治癒する場合もありますが、保存療法にて抵抗性で症状の持続または憎悪する例では手術的治療を要 することになります。

手術療法は、辺縁部の血行のある部位での比較的単純な損傷の場合、半月板機能の温存をめざした半月板縫合術が行われ治癒することが報告されていますが、治癒の見込みのない無血管野といわれる遊離縁に損傷がある場合には半月切除術が広く行われています。
一回でも切除術を受けると再生は難しく半月板切除後に膝関節の二次性関節症性変化が生じることも報告されており、半月板は膝関節軟骨 の変性予防に非常に重要な膝関節の中にある小さな組織であるといえます。

ヒトが他の動物と違って2 本足で立って行動し、そのことにより手が便えるようになり道具を使いモノを作れるようになって繁栄してきましたが、そのことと引き換えに膝にかかる負担はその量、質ともに増し、多くの障害を引き起こすようになったとも考えられます。
半月板はまさにその中心にいた小さな組織なのかもしれません。

関連記事

コメントは利用できません。

ピックアップ記事

  1. 2017-9-22

    リュックサックによる腰椎への圧縮軽減

    リュックサックはバッグとしての優れた役割もさることながら、腰椎への負荷軽減ギアとしても効果を発揮しま…
  2. 2017-9-5

    筋線維の形態的特徴について

    筋の形態は、張力発生能力、可動域、短縮速度に著しい影響を及ぼします。機能に影響を及ぼす形態的…
  3. 2017-8-11

    アフォーダンスとカノニカルニューロン

    随意的な動作は、中枢で生じた運動の意図が顕在化したものであり、「目的」はそれを達成するための筋道を決…
  4. 2017-7-19

    筋の拮抗的・共同的中和

    運動を円滑に遂行するために骨格筋はそれぞれ主動作筋、共同筋、拮抗筋と役割を持ちます。一般には…
  5. 2017-7-18

    クレンチング(食いしばり)と運動の関係

    クレンチングとは、無意識的に上下の歯を強く噛みしめる動作をいいます。習慣化されたものはブラキ…

FACEBOOKもチェック!

注目TOPIC

  1. 2014-11-26

    人間は・・・チクワ!?

    人は生きるために食事を取るわけですが、その食物はそのままの形で体内に入るわけではありません。…
  2. 2015-2-10

    摂食行動異常とは

    最近、多くの人は自分を太りすぎていると感じており、巷には痩身法に関する情報があふれています。…
  3. 2015-4-2

    筋のガーディングとは

    筋のガーディングとは、痛み刺激に反応する筋の持続的収縮であり、防御的に体が過度に動くのを防ぐためのサ…
  4. 2015-5-23

    AMPK(AMP活性プロテインキナーゼ)とは

    細胞の中ではさまざまな種類の酵素が生きるための仕事を役割分担しながら行っています。AMPKは…
  5. 2015-11-11

    股関節にある二関節筋に対するストレッチの有効性

    臨床家は、筋骨格系の治療と予防に筋のストレッチングをよく用います。股関節の二関節筋、とくにハ…
ページ上部へ戻る