糖代謝と血糖調節機構

生命の維持にはエネルギーの獲得が必要であり、糖質は生体にとってもっとも重要なエネルギー源になります。
食事から消化吸収されたブドウ糖は血流を介して全身の細胞に運ばれ、エネルギーとして利用されることになります。

このエネルギー源であるブドウ糖は小腸から吸収されて門脈に流入し、一部は肝細胞に取り込まれグリコーゲンや脂肪として貯蔵されます。
また、肝細胞に取り込まれなかったブドウ糖は体循環に入り、全身の細胞のエネルギー需要を満たすことになります。
その上でエネルギーとして利用されることなく余ってしまったブドウ糖は骨格筋では主としてグリコーゲンとして、脂肪細胞では中性脂肪に転換されて蓄積されていくこととなります。

血中の糖、いわゆる血糖値が上昇すると、膵臓からインスリンが分泌されます。
このインスリンが分泌されると、肝臓や骨格筋、脂肪組織への糖の取り込みや細胞内部でのエネルギー貯蔵を媒介して、血糖値を下げるように働いていきます。
インスリンこそ、血糖値を調整する数あるホルモンの中でも唯一血糖値を低下させるホルモンになります。

逆に血糖値が低下すると、インスリンの分泌は低下するとともにグルカゴンというインスリン拮抗ホルモンが分泌されることになります。
このグルカゴン、肝臓でグリコーゲンを分解することによりブドウ糖を産生し、血糖値を上げる役割を担っています。

このグルカゴンが働くと肝臓ではグリコーゲンが分解されますが、骨格筋においてはどうなのでしょうか。
実は骨格筋においてもグリコーゲンの分解は進みますが、血中に放出されずにそのまま骨格筋のエネルギーとして利用されることになります。

このように血糖値はインスリンやグルカゴンといったホルモンにより、およそ70~140mg/dLの範囲に保たれることになります。

関連記事

コメントは利用できません。

ピックアップ記事

  1. 2017-9-22

    リュックサックによる腰椎への圧縮軽減

    リュックサックはバッグとしての優れた役割もさることながら、腰椎への負荷軽減ギアとしても効果を発揮しま…
  2. 2017-9-5

    筋線維の形態的特徴について

    筋の形態は、張力発生能力、可動域、短縮速度に著しい影響を及ぼします。機能に影響を及ぼす形態的…
  3. 2017-8-11

    アフォーダンスとカノニカルニューロン

    随意的な動作は、中枢で生じた運動の意図が顕在化したものであり、「目的」はそれを達成するための筋道を決…
  4. 2017-7-19

    筋の拮抗的・共同的中和

    運動を円滑に遂行するために骨格筋はそれぞれ主動作筋、共同筋、拮抗筋と役割を持ちます。一般には…
  5. 2017-7-18

    クレンチング(食いしばり)と運動の関係

    クレンチングとは、無意識的に上下の歯を強く噛みしめる動作をいいます。習慣化されたものはブラキ…

FACEBOOKもチェック!

注目TOPIC

  1. 2015-8-4

    筋・筋膜痛について

    筋痛には、運動に伴う筋痛や、反射性筋収縮による筋痛、筋筋膜性疼痛症候群、線維性筋痛症候群、緊張による…
  2. 2015-1-14

    水分摂ってますか?はいコーヒーを飲んでます。

    運動をしている人もそうでない人も水分補給は欠かせないものですが、こと冬に関しては摂取量が減ってしまい…
  3. 2015-5-31

    α-γ連関とγループとは

    運動神経は、神経線維の太いα運動ニューロンと、神経線維の細いγ運動ニューロンからなります、脊…
  4. 2015-5-18

    肥満と神経ヒスタミン

    ヒスタミンは広く知られているところで、花粉症のくしゃみなどアレルギー症状の原因になる物質です。…
  5. 2016-1-23

    アクティブタッチとは

    私たちは、そこにあるモノが何かを知ろうとするときには、手や指を自由に動かし、それに触ることで判断して…
ページ上部へ戻る