組織線維化とその関連因子fibrocyte

組織線維化において、血中に存在する骨髄由来の問葉系細胞(fibrocyte)が関与している可能性が様々な研究から示唆されています。

動物モデルでは創傷治癒、肺線維症、喘息における気道線維化などにおいてfibrocyteの関与が指摘されています。
また、ヒトでもケロイド、強皮症、喘息などにともなう線維化は局所においてfibrocyteの浸潤が報告されています。
Fibrocyteはケモカインレセプターを発現しており、リガンドであるMCP−1、SLC、SDF−1などに誘引され組織に浸潤していると思われます。
このように組織の線維化に対する治療を考えるうえでfibrocyteは重要なターゲットと考えられています。

組織線維化は、臓器の侵襲からの修復、あるいは創傷治癒の過程で生じるものが多いとされています。
組織の破壊の程度が軽ければ、線維化の痕跡は消え正常な状態に戻るとされています。
しかし傷害範囲が広く、線維化が臓器本来の機能を損ない修復不全になり、さらに線維化が進むといった悪循環に陥ったり、薬剤など何らかの原因により線維化 が過剰に誘起されることにより、臓器不全を引き起こし場合によっては死に至ることがあると言われています。

従来、組織線維化は臓器修復過程に集積がみられる血小板や白血球が放出する遊走因子や増殖因子により、傷害部位周辺から間葉系細胞や線維芽細胞が浸潤し増 殖することにより引き起こされると考えられていました。
しかし近年、この線維化の過程に血中に存在する骨髄由来のfibrocyteの関与が指摘され注目を集めているのです。

組織に炎症が起こると局所の問葉系細胞や浸潤してきた白血球などが炎症性サイトカインやGタンパク質共役受容体を介してその作用を発現する塩基性タンパク質であり、サイトカインの一群ケモカインを放出します。
ケモカインのMCP−L、SDF−L、SLCが放出されるとその因子に導かれて血中からfibrocytcが組織に浸潤するようになります。
さらに、Fibrocyteは炎症性サイトカインを放出し、抗原提示を行うことによ り炎症を拡大することになり、自らMCP−1を放出することによって新たなfibrocyteの浸潤を促します。

また線維芽細胞の遊走、増殖を誘導するPDGF、FGE、TGF一βなどの増殖因子を産生することで、炎症局所周辺からも間葉系細胞や線維芽細胞を誘引・増殖させ ることにより線維化を拡大していきます。
こ のようにfibrocyteは線維化の過程で中心的な役割を果たしていると考えられています。

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