サラブレッドからみる栄養とトレーニング

1998年、セイウンスカイという競走馬が4歳馬(現3歳)の頂点を決めるレースであるG1レースの皐月賞と菊花賞を制しました。

このセイウンスカイですが、血統が命とまでいわれる競走馬において、決して血統の良い馬ではありませんでした。

セイウンスカイの父であるシェリフズスターも産駒の成績が芳しくなく、セイウンスカイ含め、3頭の産駒だけを残し、廃用とされてしまいました。

そのうちの2頭がのちにG2レースの日経賞でワンツーフィニッシュを決めたことは有名な話です。

3頭中2頭が重賞級なわけですからそれが分かっていたらそんな扱いにはならなかったでしょうが、兎角種牡馬産駒共々評価は低いものでした。

それでも二冠馬となったのには、この馬には、ほかの馬とは違う秘密があったからだとされています。

強い競走馬の条件としてあげられるのが、血統、調教、栄養の3つですが、セイウンスカイは栄養の面で他の馬と大きく違いがありました。

この馬には、生産者である北海道の西山牧場と東京大学農学部の共同研究により、育成にあたってアミノ酸を配合した飼い葉が与えられていました。

サラブレッドは走るために生まれてきますが、約500kgの体重を細いところでは周囲わずか20cmほどの脚で支えており、走っている時には非常に大きな負荷がかかります。

日本産馬は疲労骨折が多い、日本の牧草は外国のものと比べて質が悪いと言われていたことから、研究者は、サラブレッドの栄養面に注目しました。

常に高強度の運動負荷がかかっている競走馬は、グリコーゲンとして蓄えているエネルギー源をグルコースに分解して使い果たすと、筋中のタンパク質を分解してエネルギーにします。

しかし、馬はタンパク質の吸収が悪い動物で激しい調教では標準試料に含まれるアミノ酸の量では足りなくなり、筋が減少し、故障に繋がることがあります。

それで吸収効率が良く、筋の強化や疲労回復も狙って、アミノ酸を飼い葉に混ぜることにしました。

結果はセイウンスカイが示す通りですが、元々この馬にはそれだけの実力があったということを忘れてはいけません。

しかし、その他、アミノ酸を添加した飼い葉で育てられた馬たちも血統の悪さや、身体の弱さがありながらも、良く走っていたとされています。

また、やはり生まれた当初は期待されてなかったながらも鍛えに鍛えられてG1馬まで上り詰めた馬もいます。

この馬をミホノブルボンといいますが、取引された価格は700万で、当時から考えても安馬、すなわち期待できる馬ではありませんでした。

しかし、調教師の鬼のような坂路調教で馬はみるみる身体を大きくさせ、圧倒的なスピードやスタミナを手にし、クラシック2冠を含むG1を3勝しました。

このように、サラブレッドの世界でも、トレーニングや栄養は重要なものです。

特に血統が全てを左右すると言われてるからこそより重要なものになるのかもしれませんね。

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