プロスタグランジンについて

疼痛や発熱など炎症により起こる症状はさまざまですが、それぞれには共通点が存在します。

それはどの症状にもプロスタグランジンという物質が関与していることです。

たとえば切り傷や擦り傷などで細胞が傷ついたとします。

このとき、細胞内からはブラジキニンやヒスタミンなどの痛み物質が放出されます。

これら痛み物質が感覚神経の受容体に結合することで、痛みを知らせるための神経シグナルが発生します。

痛みの神経シグナルは脊髄を上行し脳に入り、中継点である視床を通過して大脳皮質に入ります。

ここでようやく痛みを知覚します。

つまり、痛みは怪我をした部分で感じるのではなく、そこから発せられる神経シグナルが脳に届くことによって、はじめて痛みを感じるのです。

プロスタグランジンは、この神経シグナルを強める働きを持ちます。

また痛みだけでなく、発熱やその他の炎症の神経シグナルをも強めています。

たとえば、病気のときは熱が出ますが、これはプロスタグランジンが視床下部の体温調節中枢に作用して、体温のセットポイントを高めに設定し、体温を高めることで、細菌やウイルスに対抗しているのです。

プロスタグランジンはさまざまな働きをもち、その役割は、筋の収縮から月経に至るまで、多くの生体化学反応に関わっています。

プロスタグランジンはとても大事な物質ですが、細胞が障害や強い刺激を受けたときだけ放出されるという点で、インスリンなどふつうのホルモンとはだいぶ趣が違います。

また、痛みが脳周辺で起きている場合、たとえば頭痛ですが、脳には痛みを感知する受容体がないため、脳実質の痛みではありません。

脳周辺の血管、髄膜、骨膜、皮膚、筋肉にはその受容器があり、これらが痛みを感知し、神経シグナルを発生させ、それが大脳皮質に届けられ、痛みを感じるという仕組みになります。

関連記事

コメントは利用できません。

ピックアップ記事

  1. 2017-9-22

    リュックサックによる腰椎への圧縮軽減

    リュックサックはバッグとしての優れた役割もさることながら、腰椎への負荷軽減ギアとしても効果を発揮しま…
  2. 2017-6-15

    腋窩陥凹はハンモックのように

    肩甲上腕関節の関節包靱帯は複雑なコラーゲン線維の交わりあった束から構成され、それぞれ上・中・下の3つ…
  3. 2017-5-16

    加齢に伴う身体能力の変化

    加齢に伴い運動機能は減退します。特に筋力と有酸素能力の低下はスポーツや運動活動への参加を困難…
  4. 2017-1-18

    筋力トレーニングの負荷設定について

    筋力トレーニングを行うに当たっては、目的を明確にし、その目的に応じたトレーニング条件を設定することが…
  5. 2016-12-1

    骨の連結

    骨の連結には骨と骨が線維性の結合組織によって結合される線維性の連結と、骨と骨が軟骨線維によって結合さ…

FACEBOOKもチェック!

注目TOPIC

  1. 2017-3-16

    エクササイズのステップアップ

    ケガをさせない身体づくりで重要なコンセプトは⓵「姿勢」「動作」「筋活動」の最適化、⓶至適な負荷強度、…
  2. 2017-2-12

    トレーニングは大筋群などから先に行う

    トレーニング種目を選択したら、種目の順番を考えます。行う順序にはいくつかのポイントがあります…
  3. 2017-3-1

    大きな力を発揮するために

    筋肉が力を発揮する源は、筋原線維にあるミオシンのクロスブリッジがアクチンを引き込むことです。…
  4. 2016-2-8

    女子サッカー選手における女性特有のコンディション

    女子サッカー選手に限らず男性との性差、つまり女性特有のコンディションを理解して選手の健康管理を行うこ…
  5. 2015-3-14

    骨盤のゆがみと仙腸関節

    骨盤は下肢と脊柱を連結する位置にあり、荷重伝達機能を担う。骨盤の可動性に関与するのは、左右の寛骨…
ページ上部へ戻る