筋線維の発生と機能構造

筋は形態的かつ生理的な違いから横紋筋、心筋、平滑筋に分類されます。
横紋筋の大部分は骨に付着し関節を動かす骨格筋となり、心筋はその名のとおり心臓のポンプ作用を担っています。
一方、平滑筋は胃・腸を始めとする消化管や尿管や膀胱などの尿路などの管腔臓器を形成し蠕動運動などの運動の動力源となります。

この筋の発生は胎生第6週ころから、未分化間葉系細胞から筋芽細胞(myoblast)に分化することから始まることになります。
筋芽細胞が融合して一次筋管細胞になり、これが鋳型となって筋芽細胞が融合し、収縮作用を持つ一次筋線維になっていきます。
一次筋線維はミオシンなどの収縮タンパク質からできていて筋の性質でもある収縮作用を持っています。

また、一次筋管細胞はアポトーシスにより死滅します。
同様な過程により二次筋線維を経て、三次筋線維が出生直前までに形成されることで成体の筋線維になっていきます。

上記のように発生した筋線維は、遅筋線維(赤筋線維、typeI)と速筋線維(白筋線維、typellA、IIB、IIc)に分けられます。
胎生初期はほとんどtype ⅡCの速筋線維で構成されますが、胎生後期になるとtypeⅠ、typeⅡBの筋線維が主となっていきます。
また三次筋線維は、神経支配やホルモンの作用を受けてその形態を完成させてゆくと言われています。

筋の発達はこれら筋の構成単位としての「筋線維や臓器としての筋組織の発達」と、神経系に支配されており高度に統合された「関節の運動制御機搆としての発達」として分離して考える必要があると考えられています。

このような筋線維、すなわち筋細胞は生後その数を増加させることなく成長することになります。
つまり、筋線維そのものの「数の増加」ではなく、その「細胞内基質の量としての増加」により成長してゆくことになります。
この結果、発達に伴って筋の厚みが増し筋力は増強されていきます。

臓器としての筋組織を考えてみると、神経との接合部(motor-point)の位置を変えずに栄養血管の進入とともに成長していくことがわかります。
脳・脊髄にある運動神経(運動ニューロン)から起こる神経線維が支配する筋線維をまとめて運動単位(motor-unit)といい、1個の運動ニューロンが支配する筋線維の数は手の筋では数個程度であるのに対し、殿筋では約200個とされています。
これは、精密な運動をする筋と粗な動きをする筋との違いがこのような構造をとらせていると考えられます。
言い換えるならば、関節の動きの精度要求に応じて、神経支配が構築されると考えていいのではないでしょうか?
筋内感覚器である筋紡錘からの信号も筋-神経複合器官の成長に大変重要であると考えられています。

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