関節と固有感覚受容

筋紡錘やゴルジ腱器官は運動制御を行う上で、非常に重要な固有感覚器であることは言うまでもありません。
この他にも関節の結合組織、特に関節包や靭帯を含む繊維性組織の中には様々な固有感覚を伝える感覚神経があります。

これらの機械感受性神経線維末端は関節の動きの角度、方向、速度の変化に反応して、情報をフィードバックしてくれています。
ほとんどの固有感覚器の反応は順応が速く、このことは静止している関節の情報は少なく動いている関節の感覚情報は非常に多く伝えていることを示しています。

しかしながら、私たちは目を閉じていても関節の位置や角度を非常に正確に判断できます。
これは、関節の位置や角度を見積もるために、関節の受容器からの情報と筋紡錘やゴルジ腱器官、皮膚の受容器からの感覚情報を組み合わせてその状態を感じているためであると考えられます。

このように考えると、ある情報源の消失があっても、他の情報で補うことが可能で、1つの感覚情報に頼ることなく、様々な感覚情報の統合(Sensory integration)が行われていることが、運動制御を円滑に行うためには非常に重要であることがわかります。

人工関節等をいれても、その関節の位置や角度がわかるのは、関節そのものからの情報ではなく、その他周辺の固有感覚器からの情報でそれを代償し感じているということになります。

関連記事

コメントは利用できません。

ピックアップ記事

  1. 2017-9-22

    リュックサックによる腰椎への圧縮軽減

    リュックサックはバッグとしての優れた役割もさることながら、腰椎への負荷軽減ギアとしても効果を発揮しま…
  2. 2017-9-5

    筋線維の形態的特徴について

    筋の形態は、張力発生能力、可動域、短縮速度に著しい影響を及ぼします。機能に影響を及ぼす形態的…
  3. 2017-8-11

    アフォーダンスとカノニカルニューロン

    随意的な動作は、中枢で生じた運動の意図が顕在化したものであり、「目的」はそれを達成するための筋道を決…
  4. 2017-7-19

    筋の拮抗的・共同的中和

    運動を円滑に遂行するために骨格筋はそれぞれ主動作筋、共同筋、拮抗筋と役割を持ちます。一般には…
  5. 2017-7-6

    鼠径部痛と内転筋損傷と恥骨炎

    鼠径部痛はスポーツ選手がよく訴える痛みの1つです。これらの痛みを訴える選手は、内転筋群の過緊…

FACEBOOKもチェック!

注目TOPIC

  1. 2015-7-5

    温熱刺激による筋肥大亢進と筋萎縮抑制

    筋線維に対して温熱刺激を負荷として与えると、筋肥大が生じます。あらかじめ温熱刺激を与えてから…
  2. 2014-9-27

    運動中の水分摂取について「いったい何を飲むべきか」

    「運動中は何を飲めばいいのか」という質問をよく受けますが、基本的に大量に汗をかく激しい運動でなければ…
  3. 2015-6-12

    アディポサイトカイン

    アディポサイトカインとは、脂肪細胞から分泌され、糖代謝や脂質代謝に影響を与える生理活性物質のことをい…
  4. 2015-1-16

    東洋医学でいう五臓とは?

    東洋医学と西洋医学では、人体の内臓器官の表現が異なります。東洋医学の臓器名称は、単純に臓器を示す…
  5. 2017-3-26

    筋トレにおける呼吸の重要性

    筋トレにおける呼吸の重要性は血圧と酸素の供給という2つの側面から理解することが大切になります。…
ページ上部へ戻る