原始地球と化学進化

現在地球上に生活しているすべての生物は、原始生物から長い進化の過程を経て今日の姿になったものです。

30億年以上の生物進化の歴史の中で、多くの生物が誕生し、繁栄し、やがて衰退し、絶滅していきました。

そして、生き残った生物が今日の地球上にみられるわけです。

現存する地球上の生物はすべて、核酸やタンパク質などの高分子物質を主成分としています。

それで、地球上に生物が存在する前に、それらの化学物質が合成されていたということになります。

太陽系ができたのは約50億年前であり、その中にあったガスやちりが凝縮して地球が生成されたのは約45億年前と言われています。

誕生した地球は、しだいに表面が冷えて、地殻を作り始めました。

その頃の大気は窒素、水素、アンモニア、メタンなどの還元型の物質、水蒸気などを含み、高温であったと考えられます。

原始地球の大気中には酸素はなく、現在あるオゾン層もなかったため、紫外線などの放射線が地球上に降り注いでいたと思われます。

また、空中放電も盛んであり、地殻内の放射線も作用していたと推測されています。

ロシア(当時ソ連)の生化学者オパーリン(1936)はこれら地球の大気に含まれている物質をもとにして、生体を構成する高分子物質が合成されると提唱しました。

これを受けてアメリカの科学者ミラー(1953)は、メタン・アンモニア・水素を封じ込め、これらの混合液体を熱した水蒸気で移動させながら、火花放電を行い、冷却して液体に濃縮させました。

このような循環を約1週間行って、たまった液を分析したところ、グリシンを主とするアミノ酸、ギ酸を主とする各種のカルボン酸などが液中に含まれていることがわかりました。

このミラーの実験以降、混合気体の組成を少しずつ変えた多くの実験がなされました。

たとえば、原始地球でHCNの形で大気中に存在していたシアンとアンモニアをもとにして、ATPや核酸の成分であるアデニンが合成され、さらにリン酸を加えてATPが作られました。

また、二酸化炭素とアンモニアからチミンやウラシルなどの核酸成分が作られました。

しかし、問題となるのは、DNA、RNA、タンパク質など、情報をもつ高分子がどのように作られたかになります。

この点で、近年、RNAの中に酵素活性をもつものが見つかったことなどから、最初にRNAの世界があり、ついでDNAが作られてきたという考えが有力になります。

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