呼吸・咀嚼・発声の自動性

呼吸は努力をしなくても、眠っていても自動的に続けられるという特性をもっています。

随意的に調節や停止ができるとはいっても、この自発性と自動性は重要なものです。

呼吸を発生させる原動力は呼吸筋です。

呼吸筋は横隔膜と肋骨に付着している2種類の呼吸筋からなっており、それぞれ脊髄の運動細胞に支配されています。

運動細胞の活動を形成する主役は、脳幹の下部にある呼吸中枢です。

呼吸中枢とは、呼吸に関係した多様な特性をもった細胞の集団の総称であり、延髄から橋にかけて、多数の細胞集団が存在します。

それらの細胞集団の連携によって呼吸リズムの発現と調節が行われ、その出力に支配されて、呼吸筋の運動細胞が周期的に活動します。

延髄には呼息と吸息それぞれの周期や遅い時期などに、種々のタイミングで活動する呼吸性ニューロンが存在し、6種類の集団を形成しています。

それらの細胞集団は、集団の間で互いに影響しあう回路網を形成し、回路網で行われる興奮と抑制の統合的な時間経過が、延髄から脊髄ヘ向かう出力ニューロンに呼息相と吸息相の基本的な時間パターンを形成します。

そのようにして呼吸の基本的なリズムが生成され、それに対して数多くの調節系が働いて、リズムの調節や呼息・吸息運動の調節を行います。

ここには、さまざまな反射が働いています。

まず末梢的要因による反射があります。

気道や肺あるいは呼吸筋のレセプターが機械的刺激を感知し、呼気・吸気の変調を伝えると、反射性にそれが修正される方向に調節が働きます。

また、血中の酸素、二酸化炭素、pHなどの変化はそれぞれ頸動脈と大動脈にある化学受容器によって感知され、脳幹の呼吸中枢に送られて、それそれ呼気または吸気を適正な方向に修正させるべく呼吸ニューロンの活動を調節します。

さらに、脳幹の呼吸中枢は、大脳の上位中枢の支配下にあります。

次に咀嚼運動ですが、ヒトや動物の咀嚼運動は摂食運動として重要になります。

その運動のパターンは、日常ではほとんど意識されることはありませんが、実は規則的な顎と舌のリズミカルな協調運動が行われています。

この基本的なリズムを形成するためには、脳幹下部に存在する中枢が働いています。

この中枢から開口筋と閉口筋の運動細胞に出力がなされ、咀嚼運動の基本パターンが形成されます。

一方、脳幹の咀嚼パターン形成中枢には、大脳皮質から出力が送られ、咀嚼の開始と停止がなされます。

咀嚼運動中に、開口、閉口筋に強い外力が加われば、反射性に運動が修正されます。

最後に発声ですが、これは未だに不明な点が多いですが、中脳が働くとされています。

発声を行うためには、呼吸筋および咽頭と後頭の筋群に特有な、しかも発声の種類に応じた活動パターンの組み合わせが必要です。

これに中脳が関わっているとされており、その中脳も上位中枢からのコントロールが働いているとされています。

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