アキレス腱周囲炎

使いすぎ症候群のひとつで、スポーツ障害として高頻度にみられるアキレス腱周囲炎ですが、中年以降のジョギングやウォーキングを習慣にしてる人に好発し、ランニングや跳躍動作による下腿三頭筋への負荷の増大、

下腱の変性(加齢変化)、筋力や柔軟性の低下、回内足や偏平足などが発症要因となります。また、靴が足に合っていないなどが誘因・原因にあります。

ストレスの反復によってアキレス腱に小さな断裂や瘢痕が生じて変性し、アキレス腱の炎症が周囲のパラテノン(腱鞘間の滑液組織)に及んで慢性的な炎症・肥厚をきたして腱と癒着します。

症状としては、アキレス腱部の腫脹、疼痛、圧痛、熱感などがあり、進行すると足関節の運動障害(背屈障害)、歩行障害をまねきます。

足関節を動かしたときアキレス腱がきしむような摩擦音を生じるケースがあります。

検査・診断としては、スポーツ歴や臨床所見(局所の圧痛、腫れ、熱感)から診断を進めます。

類似症状をもつ病態(滑液包炎、踵骨の骨折後の変形、腱の骨化、腓腹筋の部分断裂など)との鑑別のためにはX線検査、MRI検査、超音波検査などを行います。

治療では保存療法、手術療法がありますが保存療法では局所の保護・安静(スポーツ活動の減量・中断)、薬物療法(外用薬、内服薬)ステロイド局所注射、理学療法、装具療法(足底支持板の使用が有効)があります。

また、難治例に対しては手術療法(癒着剥離術や腱鞘切開術)が検討されることもあります。

予後として保存療法によって回復することが多いです。

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