相反性抑制と反回抑制

関節には、反対方向へ引き合う複数の筋群が対となって付着します。

例えば、肘関節を伸ばす上腕三頭筋のような伸筋群と上腕二頭筋などの屈筋群です。

伸筋どうし、あるいは屈筋どうしのように同じ働きをする筋どうしを共同筋、伸筋に対して屈筋のように反対の働きをする筋を拮抗筋と呼びます。

ある筋が能動的に興奮・収縮するとき、これを主働筋と呼び、主動筋の活動の際にその拮抗筋が抑制される機構を相反性抑制と呼びます。

この仕組が働かない場合、主動筋の収縮により拮抗筋は伸展されて筋伸張反射による収縮を生じ、目的とされる働きが妨げることになります。

主動筋活動と拮抗筋抑制をまとめて相反神経支配といいます。

筋紡錘から一次終末からの情報を求心性に伝えるIa群線維は、同名筋・共同筋運動ニューロンと単シナプス性の興奮性結合をするとともに、拮抗筋運動ニューロンへも1個の介在ニューロンを介して2シナプス性抑制結合をもちます。

この介在ニューロンはIa抑制ニューロンと呼ばれ、脊髄前角に存在する運動ニューロンプールのすぐ背内側に接して存在しています。

このニューロンは上位脳からも運動ニューロンと同様の支配を受けており、随意収縮の際にみられる相反性抑制の発現に積極的に利用されることが分かっています。

骨格筋を支配するα運動ニューロンは軸索側枝をその腹内側に接する位置にある抑制性の介在ニューロンと連絡させ、自らとIa抑制ニューロンを抑制します。

自らにもどる閉じたループを形成しているので反回抑制と呼ばれます。

これは、α運動ニューロン活動が限度を超えた場合に筋伸張反射活動に負のフィードバックをかけて過剰な活動を抑える働きがあります。

関連記事

コメントは利用できません。

ピックアップ記事

  1. 2017-7-19

    筋の拮抗的・共同的中和

    運動を円滑に遂行するために骨格筋はそれぞれ主動作筋、共同筋、拮抗筋と役割を持ちます。一般には…
  2. 2017-7-18

    クレンチング(食いしばり)と運動の関係

    クレンチングとは、無意識的に上下の歯を強く噛みしめる動作をいいます。習慣化されたものはブラキ…
  3. 2017-7-6

    鼠径部痛と内転筋損傷と恥骨炎

    鼠径部痛はスポーツ選手がよく訴える痛みの1つです。これらの痛みを訴える選手は、内転筋群の過緊…
  4. 2017-6-24

    筋肥大とパフォーマンスのジレンマ

    アスリートの肉体改造は、高いパフォーマンス性を生み出しますが、時として「あれは失敗だった」と言われる…
  5. 2017-6-15

    腋窩陥凹はハンモックのように

    肩甲上腕関節の関節包靱帯は複雑なコラーゲン線維の交わりあった束から構成され、それぞれ上・中・下の3つ…

FACEBOOKもチェック!

注目TOPIC

  1. 2014-11-23

    水素水の効能って何?

    水素はこれまでに、潜函痛の発症予防に使われてきたことがあるが基本的には人体には無害で不活性なガスと考…
  2. 2016-5-23

    距骨下関節の適合と不適合

    距骨下関節には関節の適合肢位が1つだけ存在します。それは中間位で、このとき足部は距骨に対し真…
  3. 2017-1-18

    運動頻度

    運動頻度とは、週当たり、1日あたりのトレーニング回数のことです。運動頻度は、運動強度と運動時…
  4. 2016-1-10

    スポーツにおける腰痛とコアの筋構造

    スポーツにおける腰痛は性別・年代を問わず、あらゆる種目の競技者に頻発する障害です。そのなかでも、…
  5. 2015-2-15

    筋膜とは何か?

    筋膜とは、その名の通り筋を包む膜のことだが、筋全体を覆っている最外層の筋上膜といくつかの筋線維を束ね…
ページ上部へ戻る