筋断裂は創傷をともわない閉鎖性筋損傷で、肉離れとも呼ばれます。

スポーツ外傷によるものが多く、下腿三頭筋、大腿部膝屈筋(ハムストリングス)、大腿四頭筋、股関節内転筋に効発します。

主にサッカー、ラグビー、陸上競技、柔道などに多く見られます。

誘因・原因は運動中のジャンプやダッシュ動作など、筋肉の瞬間的な収縮が過度に行われることで筋膜が急に引き伸ばされて部分断裂を起こします。

多くは筋肉の柔軟性が失われつつある成人にみられ、柔軟性の欠如以外にも筋肉疲労などさまざまな発生要因があります。

・筋肉の柔軟性の不足

・ウオーミングアップやストレッチングを行わないなど、運動前の準備不足

・筋肉疲労

・拮抗筋の筋力バランスの不良。特に大腿四頭筋と大腿部膝屈曲

・筋力や持久力の低下

・間違ったフォームのもとでの動作

などがあります。

断裂部位は、瘢痕組織が入り込み、その後数ヶ月かけて筋肉組織に入れ替わって治療します。

瘢痕組織は従来の筋肉よりも耐久性、伸縮性が劣るため、瘢痕組織部分で再負傷しやすく、受傷後の処置が早ければ早いほど腫脹も少なく瘢痕組織も小さなものになります。

筋断裂の過程によって、Ⅰ度(筋線維の微細な損傷)、Ⅱ度(筋線維の一部断裂)、Ⅲ度(筋線維の完全断裂)の3段階に区分され、Ⅰ度の状態を肉離れと呼びます。

治療としては、応急処置、手術療法、保存療法があります。

応急処置では損傷部位の腫脹や血管・神経の損傷を防ぎ、保存療法は断裂部分の付着を促し、手術療法は断裂した筋の修復といった治療の目的があります。

受傷後はただちにRICE処置を行なうのが代表的で、48時間はRICE処置に従った治療を継続します。

応急処置が正しく行なわれないと、治療期間が長引いたり、瘢痕治療が不完全で再発をくり返すことがあり、運動は段階的にすすめていき、2~3週間は荷重走行を制限します。

ほとんどが保存療法で治療しますが、完全断裂では手術によって筋肉を縫合し、術後3~4週間は固定を行います。

予後として一般的に良好ですが、受傷直後の応急処置が回復期間を短縮させます。

 

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