グリア細胞について考える

脳の神経系を組織学的にみると、一定の排列と連結をなすニューロンとその周囲を取り巻くグリア細胞からなります。

神経本来の働きはニューロンが担っているため、ニューロンに比べるとグリア細胞の注目度は低い傾向にあります。

そればかりか、狂牛病やハンチントン病、アルツハイマーやパーキンソン病にも関連があるとして悪者扱いされることもしばしばです。

しかし、グリア細胞は栄養細胞や支持組織、髄鞘の形成、食作用など多様な働きを持ち、シナプス可塑性やグルタミン酸の代謝、血液脳関門などニューロンの活動環境を整え、陰で支えているのです。

グリア細胞は、大きく2種類に分けられます。

大型のグリア細胞マクログリアと小型のグリア細胞ミクログリアです。

マクログリアは更にアストロサイト(星状膠細胞)とオリゴデンドロサイト(希突起膠細胞)とに分けられます。

この他、NG2細胞というニューロンとグリア細胞の中間の性質をもつ細胞もあります。

まずアストロサイトですが、これは脳内の基礎的な働きを支えており、「ニューロンへの栄養供給」「ニューロン損傷時の修復因子の産生と遊離」「神経伝達物質の除去」「血流量調節」「血液脳幹基しての脳に入り込む分子の選択」「ニューロンの興奮性の維持」などがあり、これらがないと脳は働くことが出来ません。

また、アインシュタインの脳は、同年齢のヒトの脳とほとんど変わりはありませんでしたが、前頭連合野と後頭連合野のアストロサイトの数は、他の脳よりも多かったという報告もあります。

他の研究者の検証では同様の結果が得られなかったことから信頼性は低いですが、アストロサイトが知能と関与している可能性も無くはないと言えます。

次にオリゴデンドロサイトですが、これは髄鞘の形成により軸索の絶縁、ランビエ絞輪での跳躍伝導と軸索の伝導効率の向上に働いています。

神経線維には有髄線維と無髄線維がありますが、このオリゴデンドロサイトやシュワン細胞が巻き付いている線維が有髄線維で高速の伝導が可能です。

たとえば無髄線維である自律神経節後線維は伝導速度が毎秒0.5〜2mですが、有髄線維であるα運動ニューロンや筋紡錘からの求心性神経などは毎秒70〜120mにも上ります。

時速に直すと新幹線くらいの速度です。

最後はミクログリアです。

ミクログリアは主に、食作用を担います。

身体の免疫反応は、まず最初にマクロファージが体外から入ってきた菌や異常な物質を貪食しますが、脳内にマクロファージは入って来ることはできないため、ミクログリアがそれを担います。

また、死んでしまったニューロンを掃除するのもミクログリアの役割です。

脳に何らかの障害が起きて、ニューロンに異変が起きたとき、そこを掃除するのが役目ですから、そこにはミクログリアが密集することになります。

そういった背景からその病変の原因なのではないかと言われることもあります。

ただそれはあくまでも周りに被害が広がらないようにするためであり、その後の修復に関わるのもミクログリアです。

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