仙腸関節は、仙骨と腸骨(寛骨)により構成されており、関節ではありますがこの可動域は硬い関節包と強力な靭帯により強く制限されています。

このようにして仙腸関節が安定することが骨盤の安定につながります。

仙腸関節を構成する寛骨は、前方で恥骨結合として連結しており、骨盤輪と呼ばれる輪が作られます。

骨盤を安定させるためには、この骨盤輪の安定性が重要であり、これは体幹の負荷を下肢に伝えるために必要な条件となります。

このように前方(恥骨結合)と後方(仙腸関節)で強く結合しているために大きな可動はなく、動いても2~3㎜と言われていますが、このわずかな可動性が大切なのであり、動かないとそれはそれで仙腸関節の痛みやその他の障害に繋がるようです。

仙腸関節の機能障害では、腰痛などを併発することが多く、これは、脊柱にかかるストレスを仙腸関節のわずかな動きで軽減していたのが、仙腸関節のわずかな可動性が制限されることで、ストレスを軽減できずに腰椎へのストレスが高まるためではないかと考えられます。

仙腸関節の障害として仙腸関節痛があり、慢性感染症か退行性変性、もしくは強いストレスによる外傷が原因となります。

仙腸関節が過度に可動性を有している場合は全身の靭帯が脆弱化してきているか、妊娠やホルモンバランスの崩れによる靭帯の緩みが原因となっている場合もあるようです。

そのようなこともあり、仙腸関節の障害は男性よりも女性で多く報告されているようです。

他にも、股関節に関わる筋の筋バランスの崩れからも仙腸関節の機能障害が起こることが分かっています。

例えば、股関節屈筋は短縮すると骨盤が前傾しますが、左右どちらか片側のみが短縮すると骨盤が斜めにひねられるような状態になり、それにより短縮が生じた側の仙腸関節に機能障害が起こることが分かっています。

股関節外旋筋群も短縮すると仙骨がどちらか片側に引っ張られることから仙腸関節における機能障害が生じるようです。

このことから、仙腸関節における機能障害予防として股関節屈筋や股関節外旋筋群のストレッチも効果的であると思います。

関連記事

コメント

  1. この記事へのコメントはありません。

  1. この記事へのトラックバックはありません。

ピックアップ記事

  1. 2017-9-22

    リュックサックによる腰椎への圧縮軽減

    リュックサックはバッグとしての優れた役割もさることながら、腰椎への負荷軽減ギアとしても効果を発揮しま…
  2. 2017-6-15

    腋窩陥凹はハンモックのように

    肩甲上腕関節の関節包靱帯は複雑なコラーゲン線維の交わりあった束から構成され、それぞれ上・中・下の3つ…
  3. 2017-5-16

    加齢に伴う身体能力の変化

    加齢に伴い運動機能は減退します。特に筋力と有酸素能力の低下はスポーツや運動活動への参加を困難…
  4. 2017-1-18

    筋力トレーニングの負荷設定について

    筋力トレーニングを行うに当たっては、目的を明確にし、その目的に応じたトレーニング条件を設定することが…
  5. 2016-12-1

    骨の連結

    骨の連結には骨と骨が線維性の結合組織によって結合される線維性の連結と、骨と骨が軟骨線維によって結合さ…

FACEBOOKもチェック!

注目TOPIC

  1. 2015-5-24

    紫外線と目

    紫外線は全てが眼底(目の奥)まで達するわけではありません。大部分は角膜(黒目の部分にある透明…
  2. 2015-9-9

    筋の緊張の調整

    筋緊張とは、広義には安静時における筋の活動状態を示すとともに、運動時の筋活動によって筋張力が発生し、…
  3. 2015-7-5

    温熱刺激による筋肥大亢進と筋萎縮抑制

    筋線維に対して温熱刺激を負荷として与えると、筋肥大が生じます。あらかじめ温熱刺激を与えてから…
  4. 2014-9-27

    副腎皮質ホルモン

    副腎皮質ホルモンとは、副腎皮質から分泌されるホルモンの総称です。副腎皮質からは、性ホルモンと…
  5. 2017-3-18

    バランスエクササイズの効果

    バランス能力に影響を及ぼす因子として、下肢筋力、年齢、足関節や股関節の柔軟性などがあげられ、特に60…
ページ上部へ戻る