無酸素性エネルギー

身体運動は、筋収縮によって行われます。

筋の収縮と弛緩にかかわる直接的なエネルギーはATPですが、筋に貯蔵されているATPの量はわずかしかありません。

そのため、ATPの分解と同じ速さでATPが再合成されないと、筋活動の継続は不能になります。

筋におけるATPの再合成には、クレアチンリン酸(CP)が利用されます。

CPは、筋にATPの約3倍の量が含まれます。

しかし、長時間に及ぶ筋活動には酸素存在下におけるATPの再合成、グリコーゲンの分解によるATPの供給が不可欠です。

筋活動に必要なエネルギー供給のうち、ATPやCPの分解およびグリコーゲンの解糖によるものを無酸素性供給と呼び、そのエネルギーを無酸素性エネルギーといいます。

この過程は、筋細胞内部で起こる反応であり、エネルギー供給は速やかに行われます。

筋活動の初期には、無酸素性エネルギーが利用されますが、量的には少なく、全力を発揮した運動では、短時間に消費されます。

10secくらいで完了する100m疾走では、消費される全エネルギーの85%は、無酸素性供給から得られます。

運動を開始してから1~2minを経過すると、有酸素エネルギーへの依存度が高くなります。

無酸素性エネルギー供給減のうち、ATPとCPの分解によるものを非乳酸性エネルギー、解糖によるものを乳酸性エネルギーといいます。

ATPとCPによるエネルギーは、運動初期に利用され、その供給時間は激しい運動で20sec以内になります。

運動中、無酸素性解糖によって乳酸が生じる酸素負荷を乳酸負荷といいます。

したがって、これに対して、回復期には酸化的代謝による酸素量を増やす必要があります。

運動終了後、ATPとCPは再合成され、それに必要な酸素は運動終了後に供給されます。

これを非乳酸性酸素負債といいます。

この非乳酸性酸素負債と乳酸性酸素負債により、回復期において、乳酸の酸化、グリコーゲンの再合成、ATP、CPの再合成が行われます。

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