タンパク合成装置としての筋細胞

筋細胞内で細胞核と連結している小胞体は、他の細胞と同じように細胞内のたんぱく質を修飾したり細胞外へ搬送したりする役割を担っています。
筋細胞は局所的に使用する目的で細胞要素を作っているので、筋小胞体は実はあまり発達していないということがわかっています。

ですが、リボソームはこのあまり発達していない小胞体と結合して、そこで多くの筋たんぱく質が合成されることとなります。
核によって調節されるたんぱく質合成はこのようにリボソームと小胞体の結合で行われますが、それは細胞にとって非常に重要な出来事となります。

それは筋に発現されるたんぱく質の量とタイプによって、筋細胞の発揮する力、速度および持久性が決定されるといわれているからです。
そのため、作られる筋が多く活動する機会のある筋なのか、あるいはあまり活動しなくてもいい筋なのかををすでにある筋自身が察知し、多様な状況で適応できるようにたんぱく質合成の調節を行っています。
筋自身が自身の環境に適応できる細胞を合成しているというのは、筋の発達を考える上でも非常に重要なものとなります。

このようにたんぱく質の合成装置としての筋細胞が持つ役割は非常に重要です。
特に運動や他動的ストレッチのような筋細胞への単純な介入で、筋のたんぱく質合成速度を増加させることがわかっていて、筋の機能を変化させるのにも重要であることがわかっています。

たんぱく質合成を促進させるような刺激を筋細胞に送ることは、新しい筋を作るうえでとても重要な刺激となります。

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