フィードフォワード制御とは

運動制御系(中枢神経系)は、制御対象(効果器)に運動指令を送り、身体運動によって環境に働きかけています。

これら運動制御系は、必要とされる活動を決定する際に、環境や効果器からの感覚情報を利用することができ、出力だけでなく、感覚入力も受けています。

効果器からの感覚入力は、効果器の状態に関する情報を提供しています。

制御器は、効果器の出力による影響を受けない信号にしたがって活動している場合があります。

それがフィードフォワード制御です。

これには直接制御と内部モデルを用いる関節制御との2種類があります。

内部モデルというのは、運動学習の結果、中枢神経系、おそらく小脳に蓄えられた運動制御のためのモデルであり、これを使って運動指令が出されます。

直接制御では、効果器の行動を知ることなしに制御がなされています。

フィードフォワード制御の利点は、理想的に行われた場合には、指示されたプログラムと制御されたプログラムとの間に誤差がなく、完全なパフォーマンスになることです。

しかし、フィードフォワード制御では、予期しない乱れを修正することが出来ません。

また、それほど正確な制御器は、生物系には存在しないと言われています。

人間の随意運動の制御では、内部モデルが利用されています。

内部モデルは、運動の目標あるいは運動指令の信号を入力として受け、身体の現状態を固有感覚情報として受けています。

このモデルには、四肢の運動を正確に予測することを学習する能力が求められています。

その出力は、運動指令あるいは行為の結果についての感覚の予測を形成することが出来なければなりません。

そのような学習に関与するのは、主に小脳です。

そのほかに、運動野や感覚野、脊髄も関与していると考えられます。

外側小脳から後頭頂葉へ、さらに運動前野や運動野へと強力な結合があり、内部モデルとの関連が示唆されています。

 

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