環境温度が上昇すると、体温との差が少なくなるため体熱の放散が減少します。

体熱の産生との平衡が保たれなくなるため、暑さを感じます。

高温環境下の体温維持は、熱産生の低下と放熱の促進によって調節されます。

放熱は、皮膚血管の拡張、血流増加、皮膚温の上昇により促進されます。

血行が亢進するため、血液不足となり、組織液が血管に入ります。

そのため、血液が希釈され全血液量が増加します。

これにより皮膚からの水分蒸発、発汗による体温低下が容易に行われるようになります。

血管の拡張により最低血圧が低下し、脈圧が大きくなり、脈拍数も増加して血液循環が促進するため皮膚からの放熱がなされやすくなります。

また呼吸が深くなり換気量が増加し、呼気からの水分蒸発が増えるため体温が低下します。

発汗は、高温環境下での体温維持に最も有効です。

発汗時には、下垂体後葉のバソプレシンの分泌が増加するため、腎臓からの水分の再吸収が促進し、尿量が減少します。

これにより発汗による水分損失が代償されます。

暑熱環境で激しい運動をするような場合には、発汗は1時間に1〜1.5L、1日10Lにも達することがあります。

多量の発汗は血液粘度の上昇を引き起こし、心臓への負担が増加します。

汗の99%以上は水であり、主な固形成分は食塩です。

その他に微量の無機成分や有機物も含まれます。

外気温が高くなると摂取エネルギー量は低下します。

食事に伴う熱産生はタンパク質が30%と最も高く、タンパク質を摂取すると体温は上昇します。

したがって、夏季はたんぱく質摂取量が低下する傾向にあります。

また、食欲の低下により、脂質摂取量も低下します。

しかし、生体の必須成分である必須アミノ酸、必須脂肪酸は、食事由来であるため、脂質、タンパク質が不足しないように心がける必要があります。

一方、糖質摂取量は増加する傾向にあるため、糖質の燃焼に必要なビタミンB1、B2、ナイアシンの摂取を多くすることが必要です。

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