組織間隙とは各組織において細胞と細胞の間の部分である。
この部位は,膠原線維や弾性線維といった線維成分の網目の中にプロテオグリカンと呼ばれる保水性の高いゲル状の物質が充満した構造を呈している。
組織の細胞もこれら線維成分の網目の中に分布している。
また,これら物質の接着に関与するといわれているファイブロネクチン・ラミニン・テネイシン・ビトロネクチン等の蛋白も存在している。
組織間隙の自由水である組織液はこれら線維、ゲルや細胞の隙間にきわめて細い通路として存在している。
浮腫が生じた際は、ゲルの膨化も起こってくるが主としてこの自由水が増加する。

リンパ系においてもっと上流に位置する毛細リンパ管は、1層の内皮細胞と非連続性の基底膜より構成される。
隣り合う内皮細胞間には内皮細胞の重畳よりなる幅数マイクロメートルにも及ぶ間隙があり、この間隙を通して組織液の汲み上げが行われる。
このような構造を有するため、高分子物質のみならずマイクロメートルオーダーの粒子もリンパ管内へと取り込むことができる。
内皮細胞の重畳はいったん取り込まれた組織液の逆流を防ぐ弁として働く。
さらに、内皮細胞には周囲の組織に放散する繋留線維と呼ばれる膠原線維束が結合している。
これによって浮腫時に組織が膨化しても毛細リンパ管は圧平されることなくむしろ拡張し、組織液の排導に役立つものと考えられる。

皮膚においては、組織液の静水圧が陰圧、そして、毛細リンパ管内圧が陽圧と測定されているので、この圧勾配に逆らってリンパ産生が生ずるためには何らか の駆動力が必要となる。
リンパ産生を増加させる刺激としては、動脈の拍動、振動、マッサージ等の機械的刺激が知られている。
さらに、組織に浮腫が生じている場合にはマッサージによるリンパ産生は促進される。
これらの事実を考え合わせると、周期的な外力により毛細リンパ管にポンプ作用が生じ組織液の汲み上げが行われたものと予想される。

集合リンパ管は内腔に弁を有し、壁には平滑筋を含む。
上流と下流の隣り合う2つの弁に囲まれた部分を1つの機能単位としてリンパ分節と呼ぶ。
集合リンパ管壁は水や低分子物質に対する透過性は比較的高いが、タンパク等の高分子物質に対しての透過性は低い。
集合リンパ管においてリンパ液は 2 つの機序によって駆動される。
一つは受動輸送と呼ばれるリンパ管に対する外力に依存した輸送様式であり、もう一つは能動輸送と呼ばれるリンパ管壁に存在する平滑筋の律動的な自発性収縮を駆動力とする輸送である。

リンパ液はあるリンパ分節において圧迫もしくは収縮が生ずると下流へと押し出され、反対に伸展や弛緩した時には内腔の弁により逆流が妨げられる。
このように組織の圧迫伸展や壁平滑筋の収縮弛緩の繰り返しにより各リンパ分節においてポンプ作用が発現し、集合リンパ管に一方向性の流れが生まれる。
このような受動輸送を引き起こす外力としてマッサージ、関節運動、動脈の拍動等が知られている。
また、受動輸送には頭頸部のリンパ液にみられるような重力による移動も含まれる。
一方、能動輸送に関連してリンパ管壁平滑筋はその基本張力、自発性収縮力、自発性収縮頻度が神経性、体液性、局所性に調節されている。

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