随意運動と筋

骨格筋は身体を支え、身体運動を起こす力源として機能しています。

骨格筋は、中枢神経系で形成され、末梢神経を通って伝達される運動指令によって活動し、張力を発揮します。

つまり、骨格筋の活動は神経系の働きによってコントロールされているのです。

随意運動の発現には、運動の動機や目的の形成、運動計画・運動プログラムの作成、運動指令の伝達と実行の3つの段階が想定されます。

運動の動機の形成は、身体内部からの情報(お腹が空いた、トイレに行きたいなど)や外部環境からの情報を快・不快の感覚や過去の経験などから判断して、行動を起こそうとするまでの段階です。

この段階には、身体内部や外部からの情報をキャッチする感覚・知覚系、情動を司る辺縁系、身体内部や外部からの情報、記憶などを統合して行うべき行動を決定する大脳皮質連合野が関連しています。

運動の計画・プログラムの作成は、行動木曜を達成するためにどのような順序で運動を行うか、その運動を達成するためにどの筋を、どのタイミングで、どの程度の強さで収縮させればよいかを決定する段階です。

この段階には、運動関連領野(補足運動野、運動前野、一次運動野など)、大脳基底核、外側小脳などが関連しています。

大脳からの最終的な運動指令は一次運動野から発せられます。

運動指令の伝達と実行は、一次運動野からの情報が脊髄を下降し、シナプスを介して脊髄の前角にある運動ニューロンに伝わり、さらに運動神経の軸索を伝わって神経筋接合部を介して骨格筋を伝わり、骨格筋が収縮して運動が起こるまでの段階です。

脊髄の運動ニューロンには、一次運動野からの情報に加え、脳幹部の神経核からの情報、筋紡錘やゴルジ腱器官、皮膚からのなどが集まり、筋活動の最終的な指令が決定されます。

運動が実行されると身体の内部環境や外部環境が変化します。

変化した情報は感覚器を通して大脳、小脳、脳幹、脊髄にフィードバックされ、運動の修正が行われたり、1つの行動が終了して次の行動が企画されたりします。

感覚のフィードバックがないと運動が拙劣になり、正確性や敏捷性が低下する感覚性の運動失調が現れます。

感覚系の機能は運動の発現や調節において重要な役割を演じています。

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