IGF-1と筋肥大の関係

筋が、性ホルモン、成長ホルモン、インスリン、成長因子などの化学的刺激によって肥大することはよく知られています。

IGF-1は成長因子のなかのひとつで、肝臓や骨格筋などで産生される成長因子です。

IGF-1が細胞膜に存在するIGF-1受容体に結合すると細胞内に情報を伝達し、筋肥大が起こります。

機械刺激による筋肥大にもこのIGF-1刺激による細胞内情報伝達経路の関与が考えられています。

IGF-1が細胞膜のIGF-1受容体に結合すると、細胞内に存在する情報伝達分子脂質キナーゼであるPI3Kを介してタンパク質キナーゼであるAkt(プロテインキナーゼB)をリン酸化させます。

Aktはこれにより活性化されます。

活性化したAktはmTORやGSK3(グリコーゲン合成酵素3)に影響を及ぼし、リボソームにおけるタンパク質の翻訳を活性化させると考えられています。

また、IGF-1は筋細胞自身から、またはその周辺の細胞から分泌されることが知られています。

その分泌量は、機械的刺激が加わると1時間以内に増加することが報告されています。

in vivoな実験においても筋に機械刺激を加えると2〜4日以内にIGF-1の発現が上昇することが報告されています。

またECCに必須なCa2+も細胞機能に影響をもたらす細胞内情報伝達分子として重要な役割をもっています。

筋細胞に限らずすべての細胞にはCa2+濃度を上昇させる働きをもつ仕組みがたくさんあります。

そのなかで、機械刺激による筋細胞内Ca2+濃度の上昇に関与する仕組みとしては、伸展刺激受容チャネル(MSチャネル)が関与するものと、IGF-1が関与するものが考えられます。

MSチャネルとは、細胞膜の伸展に対して応答するイオンチャネルのことであり骨格筋をはじめ心筋、内皮細胞など多くの細胞で発見されています。

MSチャネルにさまざまな種類がありますが、多くのMSチャネルは、無選択性の陽イオンチャネルでCa2+をよく通します。

よって生体内では、筋に機械刺激が加わるとMSチャネルが開口し細胞外から細胞内へのCa2+の流入が起こります。

また先述の通り、筋に機械刺激が加わるとIGF-1が自己分泌または傍分泌され、これにより細胞外から細胞内へのCa2+の流入を刺激することが分かっています。

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