痛みとは

国際疼痛学会によると、痛みとは、「組織の実質的あるいは潜在的な障害に伴う不快な感覚、情動体験、あるいはこのような障害を言い表す言葉を使って述べられる同様な体験」と定義されています。

つまり、たとえ末梢組織に傷がなくても、また傷が癒えた後でも痛みを感じる場合があるのです。

日常で経験する痛みは多様ですが、原因別には侵害受容性疼痛、神経因性疼痛、精神・心因性疼痛に大別されます。

侵害受容性疼痛は、侵害刺激によって身体が傷ついて出現する痛みを指します。

侵害受容性疼痛のなかでも、よく経験する痛みは、皮膚や粘膜が刺激されて生じる一次性と二次性の表在痛と結合組織や筋・筋膜、骨・関節などの身体の内部で感じる深部痛に区分されます。

深部痛、いわゆる筋肉痛や関節痛は、骨折や捻挫、不良姿勢や過用による疲労などで生じ、一般に痛みの局在性が不明瞭で、周囲にびまん性に放散する性質ああり、しばしば関連痛を伴います。

関連痛とは、痛みの原因部位と離れた所に感じる痛みで、刺激が強いほど、また組織が深いほど生じやすくなります。

内臓痛は、中空臓器の強い伸展や痙縮で生じその性質は深部痛に似て、鋭くびまん性で、周囲に拡散する傾向があります。

内臓痛においても皮膚に関連痛を伴うことがありますが、これは内臓の求心性線維と皮膚の求心性線維とが脊髄の同一の広域作動性ニューロンに収束することから起こります。

これらのうち、一次性表財痛は逃避反射を引き起こし、二次性表在痛・深部痛・内臓痛は、血圧や脈拍の変動、発汗、瞳孔散大、悪心などを伴い、また情動反応として不快、不安、怒り、悲しみ、絶望などの感情変化を伴います。

神経因性疼痛は、侵害刺激がなくとも神経系の異常のために出現する痛みを指し、視床痛、脊髄損傷後感覚麻痺性疼痛、三叉神経痛などで認められます。

精神・心因性疼痛は、痛みの原因が心理的因子によるものを指します。

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