反射性姿勢調節機構

人間の感覚情報のなかで最も情報量が多いのは視覚です。

姿勢調節の目的の第一は、まず頭部を地面に垂直に静止させ、視覚から正しい情報を得ることにあります。

頭部の動きや傾斜に最も鋭敏に反応するのは、前庭器官からの反射で、頸部の固有器官からの頸反射がこれを補佐します。

前庭には直線加速度を感知する球形嚢、卵形嚢と回転加速度を感知する三半規管があります。

これらの感覚器からの情報は前庭神経核に入力され、副神経核や頸髄前角の運動ニューロンと興奮性・抑制性の反射路を形成し、頭部を地面に垂直に静止させます。

これを前庭頸反射といいます。

また、前庭の平衡斑からのインパルスによる緊張性迷路反射は、空間における頭部の位置の変化によって生じます。

頭部を水平面から変化させると筋緊張の分布が変化し、仰臥位で伸筋の緊張が最大に、腹臥位で伸筋の緊張が最小になります。

頸反射は上位頸椎の関節や靭帯、筋紡錘などからの深部感覚の情報により、頭部と頸部の相対的位置関係をとらえ、その情報により四肢の肢位や姿勢を制御するという反射です。

頸部を背屈すると上肢が伸展し下肢が屈曲、頸部を屈曲すると上肢が屈曲し下肢が伸展します。

これは特に新生児によく見られ、対称性緊張性頸反射といいます。

また頸部を一側へ回旋すると顔が向いたほうの四肢が伸展し、反対側の四肢が屈曲する非対称性緊張性頸反射もあり、これらの反射は上位中枢からの抑制が途絶えると顕著になりますが、通常の運動の部分要素ともなっています。

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