日本人がもっとも多く訴える自覚症状は腰痛だといわれています。

一説によると、一生のうちに一度でも腰痛を経験する人の割合は、80%にもなるといいます。

腰痛は、姿勢のよしあしや激しい運動など、後天的な要因が関係していることは明らかですが、先天的・遺伝的な要因との関連性も指摘されています。

たとえば、腰痛と家系についての報告もあります。

21歳以下の「若年性椎間板ヘルニア」患者のいる62組の家族と、患者のいない62組の家族を比較したところ、前者では椎間板ヘルニアにかかる割合が5倍ほど高かったといいます。

また、まったく同じ遺伝情報をもつ一卵性双生児の場合で、腰にかかる負担がまったく違う職業に就いているのにも関わらず、同じ部分に同じような椎間板ヘルニアが発生する場合が多いという報告もあります。

近年では、腰痛と遺伝要因の関連が研究により次々と明らかになっています。

遺伝子の配列には個体差があり、この個体差を「遺伝子多型」といいます。

THBS2という遺伝子中に、ある遺伝子多型をもつ人は、その遺伝子多型をもたない人に比べておよそ1.4倍、椎間板ヘルニアにかかりやすいことが分かっています。

注意が必要なのは、このような椎間板ヘルニアになりやすい遺伝子多型をもつ人が、みんな必ずヘルニアになるわけではないという点です。

最終的にヘルニアになるかならないかは、遺伝子多型による遺伝的要因と環境要因の総合的な作用によって決まります。

二つの要因がヘルニアの発症に寄与する割合は、五分五分と考えられています。

たとえ、リスク多型をもっていたとしても運動、食事などの環境要因に気をくばることで、椎間板ヘルニアになるのを防ぐことが可能になります。

腰痛は誰にでも起きうるものです。

正しい知識を身につけ、予防にもしっかりと気を配り、健康に過ごしたいものです。

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