上肢帯と肩関節の運動

機械的に連結した胸鎖関節と肩鎖関節によって肩甲骨は鎖骨のあらゆる運動に追従して動きます。

この場合、肩甲骨は胸郭上を肩甲胸郭関節によってすべりながら連動します。

肩甲骨は矢状軸を中心として回転運動を行います。

上方回旋角度は約60°であり、この時、肩甲骨下角は外方へ約10cm変位するとともに、肩甲骨上角は内側尾方に約2〜3cm変位します。

胸鎖関節における鎖骨の運動範囲を側方から見ると、鎖骨は胸鎖関節を頂点として、底面の直径が約10〜13cmとなります。

ほぼ円錐状の運動、分回し運動を行わせることが出来ます。

また、肩の挙上に際しては、鎖骨はそれ自身の軸回りに回旋し、そのS字のおかげで挙上は明らかに大きくなっています。

この鎖骨の回旋運動は約45°です。

典型的な球関節である肩関節(肩甲上腕関節)には、互いに直交する3本の主軸があります。

したがって、この関節における自由度は非常に高く、6方向への運動が定義されています。

垂直面内と水平面内における運動、そして回旋運動が可能であるということです。

垂直面内の運動では、基本姿勢において下垂された上肢(肩関節中立位、0°)は、さまざまな方向へ垂直面内を動きます。

水平面内の運動では、90°外転させた上肢は水平面内を前後に動きます。

回旋運動は、上肢がどの肢位にあっても可能です。

しかし、種々の運動における最大の可動域は、常に上肢帯の運動が加わることによって達成されます。

例えば肩関節外転の最大可動域は180°ですが、外転位80〜90°で外旋運動が起こるために達成されます。

これは外転位80〜90°の角度において上腕骨大結節が鳥口肩峰アーチに当たるのを回避するために自動的に起こるものによります。

肩関節を内旋位にした状態では、約60°しか外転できません。

肩関節外転運動において、上腕骨と肩甲骨の運動の比率が2:1になる現象を肩甲上腕リズムといいます。

例えば、外転位90°では、そのうち60°が肩甲上腕関節における外転角で、30°が肩甲骨の体幹に対する上方回旋角になります。

肩関節に障害が起こると、この比率が変化し、外転時に、多くの場合肩甲骨の上方回旋が先行して起こります。

この現象は特に、肩関節が完全に強直したときの自由上肢運動の際に顕著です。

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