脂肪細胞が分泌する生理活性物質はとくにアディポサイトカインと呼ばれています。

脂肪細胞(アディポサイト)が分泌する生理活性物質(サイトカイン)という意味です。

肥満者ではこのアディポサイトカインの分泌異常が生じていています。

脂肪細胞が増えることと、肥満者の脂肪細胞は通常の体重のヒトの脂肪細胞と分化状態が異なることが原因です。

近年では、脂肪細胞だけでなく、マクロファージも、脂肪細胞にある他の細胞も重要な物質を分泌していることがわかり、脂肪細胞から分泌される因子という意味で「アディポカイン」と呼ばれるようになっています。

脂肪細胞はきわめて特殊な細胞で、その細胞質いっぱいに、主に中性脂肪からなる脂肪を溜め込んでいます。

化学物質としての脂肪は、1gあたり9キロカロリーのエネルギーを蓄えられます。

タンパク質や炭水化物は4キロカロリーだから、脂肪は少ない重量で多くのエネルギーを蓄えられるます。

例えば、体重60㎏、体脂肪率が20%のヒトは、約12㎏の脂肪に蓄えられるエネルギーは約10万8000キロカロリーとなり、これはヒトが50日ほどで摂る食事量に相当するエネルギーです。

飢餓の時代はこのエネルギー貯蔵システムが役にたっていたのですが、飽食の時代には、このシステムは扱いが難しくなります。

現代のよう先進国のように食べ物があふれている状況は、進化の過程からすれば、一瞬前から始まったもので、ヒトの脂肪細胞も当然、現代の状況には対応できないはずです。

そして肥満者の脂肪細胞は異常に大きくなってしまっているので、見た目だけでなく、細胞の性質も大きく変わってしまっているのです。

脂肪細胞は単なるエネルギー貯蔵システムだけでなくさまざまな生理活性物質を血中に放出する内分泌細胞でもあるのです。

 

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