免疫システムの防衛基地「リンパ節」とT細胞

T細胞がリンパ節の中で病原体をみつけだして活性化すると、T細胞はパトロール経路を修正する。
このパトロール経路の修正方針は、T細胞が「どこで活性化したか?」に依存している。

例えば、T細胞が皮膚に近いリンパ節で病原体をみつけて活性化した場合、T細胞は皮膚に集まりやすくなるようにパトロール経路を修正する。
一方、T細胞が消化管に付随するパイエル板で病原体と遭遇して活性化した場合は、消化管に集まりやすくなるようにパトロール経路を修正する。
皮膚からの病原体侵入の情報は皮膚に近いリンパ節に、消化管からの侵入情報は消化管付随のパイエル板に伝えられるので、このようなリンパ球のパトロール経路の修正はとても合理的に行われる。

外界と接する「皮膚」、あるいは食物を通して外界と繋がる「消化管」はもっとも病原体が侵入しやすい器官になる。
「皮膚」あるいは「消化管」に病原体が侵入すると、侵入部位で炎症反応が引き起こされ、「緊急サイン」が出されることとなる。

この「緊急サイン」には「皮膚型」サインと「消化管型」サインがある。
パトロール経路の修正によって、皮膚に近いリンパ節で活性化したT細胞は皮膚型の緊急サインを、消化管に近いパイエル板で活性化したT細胞は消化管型の緊急サインをそれぞれ読み取ることができるのである。

その結果、活性化したT細胞は、病原体の侵入部位に効率よく到達することが可能となる。

リンパ球は、病原体の侵入に関する情報が集まる免疫システムの防衛基地「リンパ節」を繰り返し巡回して、病原体の侵入を監視する。
リンパ球の中でもこのT細胞は、リンパ節で病原体の侵入を感知して活性化すると今度は病原体の侵入部位に向かいやすくなるようにパトロール経路を修正している。
このようなリンパ球の合理的でしなやかに調節されたパトロールのおかげで、私達は病原体から身体を守ることができているのだ。

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