年齢によって起こる知能形態の変化

知能は「思考能力の個人差」を表現しているものになります。

では思考はなにかと言うと、知覚された外界からの情報と記憶に貯蔵されている情報を用いながら、問題を解いたり、推理したり、判断したり、決定する知的過程であると言えます。

知能はこの思考能力の個人差に焦点を当てているわけですが、これには思考だけでなく、言語、記憶、知覚といった知的能力が含まれています。

一般に、知能は年齢に大きく影響を受けるとされています。

恐らくほとんどの方は、2、30歳代でピークを迎えるのではないかと思うはずです。

現にこれまで、知能は幼児期、学童期、青年期と発達し、20歳代でピークに達したあとは低下すると考えられていました。

確かに、年齢を重ねるごとに、記憶力や知覚能力は低下するはずから、そう思っておかしくないでしょう。

では知識や経験という点ではどうでしょうか。

知識や経験は、年を重ねれば重ねるほど身につくものですから、その点では老年期に勝るものはありません。

したがって知能とは、新しく物事を覚える、学習するといった知識や経験の影響を受けない元々備わっている知能と、生きていくうちに身につく知識や経験に基づく知能があると考えられます。

これをイギリスの心理学者Raymond Cattellは、前者を流動性知能、後者を結晶性知能として分類しています。

流動性知能は、個人の備え持つ能力に左右され、30歳代にそのピークを迎え、その後60歳代までは維持されます。

それ以降は急速に低下しますが、この加齢に伴う脳機能の変化は至極当然な変化であると言えます。

結晶性知能は、一般教養、これまでの知識や経験に基づき、その時々の状況に対処する能力です。

この能力は60歳ごろまで徐々に上昇しピークを迎えた後、緩やかに低下しますが、7、80歳代でも20代と変わらない水準に保たれます。

この結晶性知能に個人の能力は全く関係ないわけではなく、流動性知能という土台の上に成り立っています。

したがって、全く同じ経験を積んだとしても、流動性知能の高いほうが、より結晶性知能を発達させることができるのです。

また、流動性知能が高かったとしても、知能を発達させる環境になければ、結晶性知能の発達はあまり発展しません。

 

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