頚部損傷における対応と処置

今回は「頚部損傷における対応と処置」について書いていきたいと思います。

倒れている選手を動かさず、声をかける。
1.反応がなく、意識消失あり→救急車要請。
2.意識あるが、四肢麻痺あり→救急車要請。
3.意識消失も四肢麻痺もない→自力で起きるよう指示する。
サイドラインで判定する。
立ち上がった際、ふらついたり倒れたりする可能性があるので、選手をいつでも支えられる体勢でいる。

1)意識の確認
意識の確認や症状の把握は、近づいて行く段階から始まる。
1.倒れている選手に近づきながら、大きいな出血や変形、変色などの異常がないかどうかを確認する。

2.決して揺さぶらず、声をかける。
「大丈夫」、「聞こえる」、「どこが痛い」

3.明確な反応がない場合、選手の両手を握り「きこえたら手を握って」と呼びかける。

4. 手を握り返してきたら意識があると判断する。

5.「痛い痛いとのたうち回る選手には、声かけをしても答えが得られないことが多く、意味がないので、まず落ち着かせる」

6.まったく握り返してこない、もしくは片手のみ握り返す場合、意識消失や脳、脊髄の傷害を考える。

7.「もしきこえていたら、目をパチパチさせてみて」と問いかけ、実際にパチパチしてきた場合は、頚椎の脊髄損傷の可能性が高い。

スポーツ現場のみならず、交通事故(特にバイク)・転落・転倒により、脊髄が損傷する。

頚髄損傷が3/4を占める。頚髄損傷の60%にはレントゲン検査で骨折が認められない。

脊損患者の70%が呼吸障害をきたす。

横隔膜を動かす神経は第3・4・5頚椎から出ている。

第3頚椎以上の損傷では呼吸不能となり救急隊の現着時には死亡している。

第4頚椎での直接の損傷や、それ以下でも不用意な体位変換により浮腫が第4頚髄に及べば呼吸が停止する。

また、第5頚椎以下の損傷であっても呼吸の補助をしている肋間筋が動かなれば呼吸困難感は必発である。

血圧は神経原性ショックのため通常低下している。

外傷により運動麻痺、知覚麻痺、腰背部の疼痛などの症状を訴える症例では、不用意に体を動かすことにより脊髄にさらに損傷を与えることがあるので、まずネックカラーで頚椎を保護する。

神経症状が認められない場合でも、脊損の可能性が疑われる場合には即座に頚椎をカラーで固定し、それから処置に移る。

■しばらく様子をみる場合
絶対に選手を一人にしない。

少なくとも5~10分に1度はバイタルサインをチェックし、その時刻とともに記録しておく。

(脈拍、血圧、意味不明なことを話していないか、顔色のチェックなど、気づいたことをメモする)
頚椎保護と、呼吸状態を観察する。

受傷後、時間が経過すると居眠りをはじめることもある(傾眠)が、眠りかけたら目を覚ますように促す。

帰宅時など常に誰かが付き添っているようにする。

睡眠中、呼吸が停止したり、異常な「いびき」をかきはじめて目を覚まさない場合は、大至急119番で救急搬送を依頼する。

事故発生後、一刻を争う事態になりかねません。
素早い対応(必要に応じてはAEDや心肺蘇生)や119番通報などを行うことがとても重要になるのです。

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