自伝的記憶とは

「小さいころ大きな事故にあった」、「小学校の頃に面白い先生がいた」など、例を上げればキリがないですが、こういった自己が積極的に関与して出来事の記憶を自伝的記憶といいます。

これは、同じ体験を記憶するエピソード記憶が昇華したものだと言われ、他者の経験や公的出来事に関する記憶とは異なり、自己の感情や体験を物語のように記憶されるものです。

この自伝的記憶を思い出す場合、随意想起と不随意想起の二つの形態があります。

随意想起では、「小学校ではどんな出来事があったか」というように自伝的記憶を思い出そうと意識して思い出すものです。

一方の不随意想起は、「ある車をみて事故のことを思い出した」といったように、思い出そうという意図なしに自伝的記憶を思い出すものです。

不随意想起は恐怖体験の記憶が突然想起されるフラッシュバックとの類似性も指摘されています。

こういった記憶の想起は物事に関連付けて起こるものですが、その中でも匂い、香りにまつわる記憶の想起は強力なものだとされています。

これは嗅覚の中枢と快・不快の感情や情動、記憶や学習といったものの中枢が同じ部に存在しているからだと考えられています。

また、嗅細胞からでる1次ニューロンは嗅球の僧帽細胞に終わり、そこから2次ニューロンは嗅索を通じ、海馬傍回、扁桃体、中脳網様体などに終わります。

このように嗅覚と記憶の関連は他の五感よりも強く起こります。

ある意味では、嗅覚の低下が記憶の低下と繋がると言っても過言ではないのかもしれません。

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