バナナの熟成度による栄養組成の違い

バナナは日本に輸入される果物のなかで最も輸入量が多く、輸入果物の約5割を占めているといいます。

誰もが一度は食べたことのある非常に身近な果物でしょう。

バナナはビタミンB6、Cを多く含み、カリウム、マグネシウムなどのミネラルや食物繊維の供給源として重要な果物です。

これらの栄養素に加え、健康増進機能としても注目されており、白血球などの免疫系の活性化、血糖値やコレステロールを低下させる作用も明らかになっています。

一般にバナナは輸入の段階では緑色の状態です。

果実の熟成は未熟、完熟、過熟、腐敗へと進み、それに伴い味の変化がみられます。

バナナは100gあたりの糖質が19〜26gと果物の中では多く、未熟な段階では約20%がデンプンで、糖分との割合は20:1ですが、熟成することで、1:20に逆転することが知られています。

緑色のバナナの特徴は、食物繊維、難消化性デンプンが多く含まれており、整腸作用が高いというものです。

難消化性デンプンは小腸まででは消化されず大腸で消化されるデンプン分解物の総称です。

大腸の腸内細菌により消化され、それによる腸内細菌の状態改善により大腸癌の予防、大腸炎の予防、中性脂肪やコレステロールの上昇抑制、インスリン抵抗性の改善など、全身の健康維持に役立っていることが分かっています。

また、緑色のバナナにはフラクトオリゴ糖も含まれており、更にバナナに多く含まれる高分子ポリフェノールも食物繊維のような整腸作用を示します。

これらの物質はビフィズス菌のようないわゆる善玉菌を選択的に増殖させ便量を増やし、酢酸などの低分子有機酸を作ります。

酢酸は腸の蠕動運動を増やし、吸収されにくいカルシウム、マグネシウムなどの腸管からの吸収を増やします。

このような整腸作用は両端が緑の青めバナナの特徴です。

もっともよく食べられる黄色のバナナは、ビタミンB群が豊富で、代謝に重要なB1、B2、B6、葉酸、B12など水溶性ビタミンが豊富に含まれています。

なかでも先述の通り、B6の含有量が多く、野菜や果物の中では最高レベルにあり、バナナ1本で一日の必要量の約20%を摂取することが出来ます。

B6は脂肪の分解促進や傷の修復にも関与し、肌荒れや紫外線などでダメージを受けた皮膚などの修復にも有効です。

肌の健康には整腸作用も重要なので、バナナは優れた健康食品と言えます。

シュガースポットとよばれる斑点が多くでた茶色のバナナでは、免疫系の活性、増強作用が最も有名です。

茶色のバナナを摂取することでIL-12というNK細胞に対する著明な活性化作用を特徴とするサイトカインを活性化させることができると言われています。

また、茶色のバナナに含まれるリン脂質により胃粘膜の保護に働くという報告もあります。

茶色バナナは甘さが強くなり、バナナ特有の香りも強くなってきます。

このようにバナナには熟成度の違いにより効能や組成の違いがあります。

そのときの自分の調子にあったバナナを摂取することが有効な手段かもしれません。

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