私たちは、あるモノが何かを知ろうとするときには、手や指を自由に動かし、それに触れることで判断しています。

触覚と運動が結びついて対象を知覚するはたらきをアクティブタッチといいます。

意識して見るものと、単に見えているものは違うし、耳をそばだてて聞いているものと、単に聞こえているものも違います。

触覚の場合も、受身的に手に刺激を与えるのではなく、「これは何だ?」と意識して触れるのでは当然、知覚できる情報の量も質も異なります。

アクティブタッチという行為は、固有感覚という身体内部の感覚と伴う知覚であるため、「身体で覚える」とか「身につく」という感覚へと結びついています。

例えば、折り紙を覚えるのに、説明書を読むだけの場合と、実際に自分で折って覚える場合とでは、折り紙の手触りや、紙の擦れる音、きれいに折り目つけるための力加減などいろんな感覚が織り交ざって、最終的に折り紙が仕上がります。

こうして覚えたときにできる「折り紙」という概念は、運動感覚をはじめとするさまざまな感覚が複合的に入り混じっているので、それだけ記憶の構造も多様になります。

結果として、その折り方を思い出すときには、指も動きも覚えていて、再生しやすくなります。

これは折り紙に限るらず、物事は「やって見せ、やらせてみせる」ことで体性感覚をフル稼働させることが大切です。

関連記事

コメント

  1. この記事へのコメントはありません。

  1. この記事へのトラックバックはありません。

ピックアップ記事

  1. 2017-9-22

    リュックサックによる腰椎への圧縮軽減

    リュックサックはバッグとしての優れた役割もさることながら、腰椎への負荷軽減ギアとしても効果を発揮しま…
  2. 2017-6-15

    腋窩陥凹はハンモックのように

    肩甲上腕関節の関節包靱帯は複雑なコラーゲン線維の交わりあった束から構成され、それぞれ上・中・下の3つ…
  3. 2016-6-20

    大腿骨はどのようにして脛骨上を動くのか

    屈曲・伸展時において大腿骨は、脛骨上を転がり、そして滑ることで、その動きを可能にしています。…
  4. 2016-4-25

    インスリンの過剰と代償機構

    インスリン過剰の結果みられる症状は、直接的であれ間接的であれ、すべて神経系に対する低血糖の効果の現れ…
  5. 2016-4-16

    骨格筋弾性タンパク質であるコネクチン

    現在知られているなかで最も大きなタンパク質であるといわれるコネクチンは横紋筋、すなわちコネクチン、す…

FACEBOOKもチェック!

注目TOPIC

  1. 2017-5-6

    足裏チェックして姿勢を改善

    姿勢をただしてくださいと言われると、多くの人は背中を意識して背筋をピンと伸ばそうとすると思います。…
  2. 2016-3-28

    前頭前野の障害とPhineas Gageの症例

    われわれが日常生活で行うことの多くは、目的を記憶し、企図したように行動する能力に依存しています。…
  3. 2015-7-19

    第Ⅰ〜Ⅵ脳神経について

    脳神経は脳から出る末梢神経で12対あり、感覚性、運動性、混合性のものとがあります。第Ⅰ脳神経…
  4. 2015-2-25

    脳とコンピューターの処理の違い

    脳は、莫大な量の情報を絶えず処理しています。その大量の情報を脳はどうやって処理しているのでし…
  5. 2015-6-27

    脂肪酸は脳の栄養である。

    ヒトの必須脂肪酸は、リノール酸に代表されるω-6脂肪酸とα-リノレン酸に代表されるω-3脂肪酸になり…
ページ上部へ戻る