私たちは、あるモノが何かを知ろうとするときには、手や指を自由に動かし、それに触れることで判断しています。

触覚と運動が結びついて対象を知覚するはたらきをアクティブタッチといいます。

意識して見るものと、単に見えているものは違うし、耳をそばだてて聞いているものと、単に聞こえているものも違います。

触覚の場合も、受身的に手に刺激を与えるのではなく、「これは何だ?」と意識して触れるのでは当然、知覚できる情報の量も質も異なります。

アクティブタッチという行為は、固有感覚という身体内部の感覚と伴う知覚であるため、「身体で覚える」とか「身につく」という感覚へと結びついています。

例えば、折り紙を覚えるのに、説明書を読むだけの場合と、実際に自分で折って覚える場合とでは、折り紙の手触りや、紙の擦れる音、きれいに折り目つけるための力加減などいろんな感覚が織り交ざって、最終的に折り紙が仕上がります。

こうして覚えたときにできる「折り紙」という概念は、運動感覚をはじめとするさまざまな感覚が複合的に入り混じっているので、それだけ記憶の構造も多様になります。

結果として、その折り方を思い出すときには、指も動きも覚えていて、再生しやすくなります。

これは折り紙に限るらず、物事は「やって見せ、やらせてみせる」ことで体性感覚をフル稼働させることが大切です。

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