咀嚼運動と脳機能

咀嚼運動は、神経網を介して脳に膨大な情報をもたらすことで、脳を刺激し活性化していきます。

脳と認知症(痴呆症)の関連を示す研究報告があります。

岐阜大学の研究によると、高齢者の海馬の活動レベルが咀嚼刺激によって上昇することを、MRIを用いて解析しました。

その結果、咀嚼刺激による脳活動の変化を測定したところ、運動野、体性感覚野、視床、小脳の神経活動に増幅が認められました。

そして、咀嚼刺激によって高齢者に記憶の向上が見られ、咀嚼が大脳皮質のネットワークに適度な刺激を与え、海馬への情報入力を促進していることを明らかにしました。

東京都老人総合研究所が65~84歳までの人を対象に、咀嚼と全身機能の関係を調査分析した研究によると、咀嚼能力の高い人は骨のカルシウム量が多く、天然歯(噛むことが出来る歯)が多く、開眼片足立ちの時間が長かったとのことです。

咀嚼が全身機能に影響していることが明らかにされたわけです。

これらの研究から、咀嚼は単に摂食だけでなく、脳をはじめとする全身の機能を活性化し、老化を防ぐ役割をもっているのです。

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