日焼け後、ぬるま湯でも痛く感じる

おそらくほとんどの方が経験があるかと思うのですが、日焼けした後、ぬるま湯につかっただけでも肌が痛いと感じたことがあるかと思います。

これに深く関わってくるのが、実はATPです。

ATP(アデノシン三リン酸)というとエネルギー源として有名な物質ですが、この物質は、そのエネルギー源としての機能だけではなく、神経系で情報伝達物質としても機能しています。

ATPを情報として受け取る受容体はイオンチャンネルを内臓しているP2X系とGタンパク共役型のP2Y系に分類されています。

気道や角膜のような上皮細胞は外部からの化学的、物理的刺激に伴い、ATPを放出します。

それによって細胞内のカルシウム濃度の変化が起こります。

私たちの表皮ケラチノサイトも外部からの乾燥刺激、機械刺激、紫外線刺激に対して、ATPを放出することが確認されています。

ATPが存在すると、これが細胞のP2Y受容体にくっつき、その結果、TRPV1という温度受容体の温度感受性の閾値が35度にまで低下する。

ということは、紫外線を浴びて日焼けした皮膚ではケラチノサイトがATPを放出することで、40度ぐらいのお湯につかっただけでも痛み受容体であるTRPV1が開いて、カチオン(陽イオン)が細胞に流入し、痛いという反応を起こします。

日焼けして皮膚の炎症が起きているとき、ぬるいお湯でも痛いのはこういったことが起きているためです。

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