間脳の解剖 後編

トルコ鞍という蝶形骨と後頭骨が縫合してできた骨の土台には下垂体が位置します。

下垂体は他のさまざまな内分泌腺を制御する極めて重要な内分泌器で、前後両葉からなっています。

前葉は胎生時に上皮から由来したもので、腺様の構造をしていることから腺下垂体ともいいます。

腺下垂体は多種の細胞からなり、それらが分泌するホルモンの機能も多様である。

一部のホルモンは直接標的器官に働き、他の大部分は標的器官を支配する二次内分泌器に作用して、それを介して標的の調節を行います。

後者を刺激ホルモンといいます。

前葉のホルモンには次の六種が知られています。

成長ホルモン(growth hormone:GH)、プロラクチン(prolactin:PRL)、甲状腺刺激ホルモン(thyroid stimulating hormone:TSH)、副腎皮質刺激ホルモン(adrenocorticotropic hormone:ACTH)、卵胞刺激ホルモン(follicle stimulating hormone:FSH)、黄体化ホルモン(luteinizing hormone:LH)です。

後二者は性腺刺激ホルモンと呼ばれます。

後葉は脳実質の伸び出しで、神経膠と神経線維からなるため、神経下垂体ともいいます。

後葉から二つのホルモンが抽出されます。

バソプレッシンは小動脈の平滑筋を収縮させ血圧を上昇させ、また腎臓の尿細管での尿の再吸収を促すので抗利尿ホルモンとも呼ばれます。

オキシトシンは、子宮筋を収縮させ、分娩後は乳首の刺激に応じてこのホルモンが分泌され乳腺の平滑筋を収縮させ、乳を射出させます。

しかし、これらのホルモンは前葉のように内分泌細胞から分泌されるのではなく、視床下部から神経線維によって後葉に運ばれてくるのです。

視床下部の視索上核と室傍核の神経細胞に特殊な染色を行うと、顆粒状の分泌物が認められます。

この分泌物が後葉ホルモンないしその前駆物質であり、神経細胞の突起(視床下部下垂体路)のなかを伝わって後葉に運ばれ、必要に応じて血管内に放出されます。

神経分泌物の一部は、下垂体前葉を支配する動脈が隆起部で形成された毛細血管ループから下垂体門脈系に取り込まれ、前葉の内分泌機能に影響を与えます。

近年は、隆起核ないし、その付近の神経細胞が前葉の数種のホルモンの放出を促す物質を産生し、神経線維によって上記の血管ループに送っていることが明らかになっています。

視床脳の後部からは索状の視索が起こり、大脳脚の外側をまわって脳底に現れ、漏斗の前で左右合して視神経交叉を作っています。

視神経交叉は前外方へ視神経が出ており、交叉部はX次形を呈しています。

第三脳室は間脳の中にある脳室系の一部です。

左右から圧しつぶされた形の腔質で、左右径は非常に小さいですが、上下径と前後径はかなり大きくなっています。

後方は中脳水道を経て第四脳室に、前方は室間孔によって左右の側脳室に通じています。

その側壁は視床、下壁は視床下部、上壁は薄い脈絡組織で出来ています。

以上が間脳の解剖です。

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