遊びの行動とアンドロゲン

先天性副腎過形成といって、遺伝的に副腎皮質ホルモンの合成酵素が欠損する病気があります。

この病気が女児に発症すると、出生前から大量のアンドロゲンの異常分泌が起こります。(アンドロゲンとは、生体内で働いているステロイドホルモンの一種です)

このような場合、正常な女児に比べてより「お転婆」な女の子になるといわれています。

また、遊びのパートナーとして女の子より男の子と好んで遊び、「ままごと」などを嫌う傾向にあります。

【副腎過形成の女児と正常な男児と女児との間で玩具の選好テスト】

男の子用の玩具として車や飛行機、女の子用の玩具として人形やままごとの道具、中間的なものとして本やゲームを与えてどの玩具を使って遊ぶのかというテストを行い、

それぞれの玩具で遊ぶじかんを調べた結果、副腎過形成の女児は男の子用の玩具を好み、女の子用の玩具を好まないことがわかりました。

両親が女の子用の玩具を好むように仕向けているにもかかわらず、男の子用の玩具を好むといった結果になったのは、玩具の選好が出生前のアンドロゲンの作用によって変えられたことを示します。

このように、幼児の遊びパターンの中には社会的・分化的な影響ばかりではなく、出生前のホルモンの影響を受ける部分があり、生まれたときは白紙ではなく、男女それぞれ薄く色分けされているように考えられています。

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