発語「しゃべる」という能力って?

ヒトが言葉をあやつれる第一の理由は、高い知性を実現するだけの脳を備えているからです。

ヒトの大脳皮質には、「ブローカ野(運動性言語中枢)」と「ウェルニッケ野(感覚性言語中枢)」とがあります。

ブローカ野を損傷すると、言葉が頭に浮かんでもそれを声に出すことができなくなります。

またウェルニッケ野を損傷すると、聞いた言葉を理解できなくなります。

発声に関係する身体的な構造の面でも、ヒトはほかの哺乳類や霊長類とはことなる特徴を持っています。

気管の上につながる空気の通り道の筒を「喉頭」とよび、その先端は「咽頭」につながっています。

そして、喉頭の中央付近には、「声帯」というひだがあり、声帯の振動が音をつくりだします。

ヒトの場合、この音が口腔を通過する際に、舌やくちびる、歯によってさらに振動に変化があたえられ、多彩な音声をつくりだしています。

一方、ヒト以外の哺乳類の場合、喉頭の先端はヒトとくらべて高い位置にあり、鼻腔のすぐうしろまできています。

そのため、声帯でつくりだした空気の振動が鼻へ抜けてしまいます。

ヒト以外の哺乳類がほえたり、鳴いたりはできても、ヒトのような多彩な調音ができないのはそのためだといわれています。

ではなぜヒトの喉頭は下がったのでしょうか。

それは直立二足歩行にともなって脊柱が頭部の中央に寄り、さらに咀嚼機能な退化によって歯列が後退したため、
その間にはさまれたスペースが減少し、喉頭は下がらざるをえなくなったからだと考えられています。

簡単に説明しましたが、このようにしてヒトは言葉をあやつれるようになっているのです。

皆さん、普段何気なく使っているものに疑問を持ってみてはいかがでしょうか?

何か新しい「気づき」が見つかるかもしれません。

関連記事

コメント

  1. この記事へのコメントはありません。

  1. この記事へのトラックバックはありません。

ピックアップ記事

  1. 2017-6-15

    腋窩陥凹はハンモックのように

    肩甲上腕関節の関節包靱帯は複雑なコラーゲン線維の交わりあった束から構成され、それぞれ上・中・下の3つ…
  2. 2016-6-20

    大腿骨はどのようにして脛骨上を動くのか

    屈曲・伸展時において大腿骨は、脛骨上を転がり、そして滑ることで、その動きを可能にしています。…
  3. 2016-4-11

    骨格筋からメッセージを読み取る

    関節運動を行う際に骨格筋からどのようなメッセージが発せられているかを捉えることが治療を進めるうえで非…
  4. 2016-4-9

    振動刺激と筋弛緩

    痛みや炎症に由来する筋収縮が、関節可動域の制限因子として関与していると考えられる症例に対しては、筋収…
  5. 2016-3-28

    前頭前野の障害とPhineas Gageの症例

    われわれが日常生活で行うことの多くは、目的を記憶し、企図したように行動する能力に依存しています。…

FACEBOOKもチェック!

注目TOPIC

  1. 2015-3-19

    脂肪とは何か?

    健康面でも美容面でも「脂肪」という名前が出ていますが、そもそも脂肪とはなんでしょうか。お腹の…
  2. 2015-9-9

    筋の緊張の調整

    筋緊張とは、広義には安静時における筋の活動状態を示すとともに、運動時の筋活動によって筋張力が発生し、…
  3. 2015-11-21

    サラブレッドからみる栄養とトレーニング

    1998年、セイウンスカイという競走馬が4歳馬(現3歳)の頂点を決めるレースであるG1レースの皐月賞…
  4. 2015-5-24

    栄養や日光と関わる障害「くる病」とは

    栄養と健康は大きく関係し合っています。栄養不足だから体調が悪くなる、といったようなものだけで…
  5. 2015-1-24

    神経ヒスタミンを活性化させる。

    咀嚼によって脳内に放出されるヒスタミンは、睡眠ー覚醒サイクル調節機能に関与します。睡眠と覚醒…
ページ上部へ戻る