不慣れな運動や激しい運動をすると筋肉痛が起きてしまいますが、これには急性のものと遅発性のものの二種類あると考えられています。

前者は運動中や直後に生じ、運動を中止すると消失する急性の痛みで、後者は一般的にいう筋肉痛のことで、正式にはDOMS(Delayed Onset Muscle Soreness:遅発性筋肉痛)のことを指しています。

DOMSは、運動後8~24時間後に発現し、24~72時間後にピークとなり、3~10日程度で消失すると考えられています。

また、DOMSに最も関係の深いとされるEIMD(Exercise-Induced Muscle Damage:運動誘発性筋損傷には、筋力の低下、可動域の低下、周径囲の増大、クレアチンキナーゼなどの筋タンパクの放出の増大などが伴います。

加えて、筋の伸張性収縮を主体としたトレーニングでは、筋の微細構造の変形や乱れなどの筋損傷をもたらすことも明らかになっています。

DOMSは痛みを伴うことから生体防御の警告信号として考えると、必ずしも避けなければならないということではありません。

しかし、痛みは、日常生活動作や競技パフォーマンスにおいて悪影響をもたらす可能性も高くあります。

DOMSやEIMDについては、これまでその予防法や対処法について多くの研究がされていますが、はっきりとした答えを出すには至っていません。

その理由としては、各実験で異なる結果を示す、同じ予防法でもDOMSとEIMDとで異なる反応を示す、筋力低下には効果を示しても可動域低下には効果を示さないなどの、曖昧な反応が多いことなどが考えられます。

それでも、DOMSやEIMDに関する研究や文献から読み取るに、効果的だと思われるものはいくつかあります。

たとえば運動後のマッサージは、DOMSに関して比較的優位な効果を示した文献が数多くあります。

しかし、可動域などの筋機能や血中の筋損傷指標に対する顕著な効果は報告されていないといいます。

アイスパックなどの冷却療法では、運動直後の冷水への浸水において、DOMSは運動48時間後に優位な効果を示し、筋機能にも効果が認められています。

これも、血中の筋損傷指標に対する効果は報告されていません。

ウォーミングアップやクーリングダウンでは、ピーク時の痛みの低減、乳酸の除去、筋柔軟性の維持などに効果が認められました。

他にも、イブプロフェンやケトプロフェン、ジクロフェナクなどの鎮痛薬で、DOMSや圧痛の低減に効果が認められています。

とはいえ、これらの効果も個人差によるところが大きくあります。

未だはっきりと確立されていないので、何か一つ自分にとって効果的な方法を見つけることが何より重要ではないでしょうか。

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